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習慣

2018/11/12(月)

ドケチな社長が電気代を上げる理由

 

FROM 安永周平

先日、「日本一社員が幸せな会社」と言われる未来工業の創業者、山田昭男さんの著書を読んでいたんですが、色々とユニーク過ぎて驚きました。あなたもご存知かもしれませんが、未来工業は1965年創業の建築用電気資材メーカーで、従業員は約800人、全て正社員です。年間休日が約140日、他も有給休暇が最大40日、年末年始は19連休、GWとお盆は10連休。1日の労働時間は7時間15分、残業禁止。ノルマもなし…こうしたことを踏まえて「日本一幸せ」と言われているようです。

立つ度に頭上の蛍光灯を切る

その社内では様々なユニークな取り組みがあるのですが、ちょっと面白いものがあったので1つ紹介しますね。この会社では、社内の蛍光灯一つひとつに社員の名札のついたスイッチ用のひもがぶら下がっているそうです。社員が席にいる時は、頭上の蛍光灯のスイッチを入れる。でも、席を立つ時はひもを引っ張って、スイッチを切っているとのこと。

「その席に人がいないのに、なぜ蛍光灯をつける必要があるだろう? 誰もいなければ、その頭上の蛍光灯は点灯していなくてもいいではないか。意味のないことに無駄な電気を使う必要はない。」

これは、創業者である山田さんの言葉。他にもいくつか逸話があるのですが、必要のないムダはは徹底して排除する倹約家だったようです(※必要なムダは本当に上手く活用していらっしゃいます)。ところが、この話のポイントは電気のムダ(電気代)ではありません。というのも…

電気代はむしろ高くなる?

蛍光灯をいちいち切っても、実は大した電気代の節約にはなりません。電気屋をやっている山田さんはそれくらいのことはわかっていました。しかし、それでも未来工業では自分の席を立つ時、いちいち自分の名札のついたひもを引っ張って、スイッチを切るように言われています。いったいなぜ、意味がないどころかマイナスにさえなることをさせているのでしょか?

それは、ひもを引っ張って電気を消すたびに、その行為の意味が体に染み込むからです。この「体に染み込む」ことが何より大切だと言います。多くのオフィスでは、人がいてもいなくても、電気がついているのは当たり前です。しかし、他社と差別化していくことを重視する未来工業では、常に常識を疑う意識・姿勢を大切にしています。こうした意識が、このように日常の行動と結びつくことで育まれるわけです。

エレベーターに乗ったら何する?

同じような話で、元スタバCEOの岩田松雄さんは、エレベーターに乗った時、行先階のボタンより先にドアの「閉」を押すそうです。なぜなら、エレベーターを少しでも速く動かすためには、「閉」ボタンを押さなければいけません。階のボタンは、ドアが閉まっている間に押せばいいのです。

とはいえ、これで行き先階に着くまでの時間の差など、ほんのゼロコンマ何秒です。その秒数に、年間にエレベーターに乗る回数をかけても、たかがしれているでしょう。しかし、問題は「意識」なのです。時間を少しでも無駄にしない意識が根付くかどうかが大切なのです。そして、こうした意識が生まれる行動が、日々どれだけあるか…というのは、私たちが「習慣」を身につけるためにとても大切です。

意識だけでは変われない

きっとあなたも、良い習慣が人生を変えることについては疑いないでしょう。イギリスの詩人ジョイ・ドライデンの「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」という名言は有名ですし、経営の神様である松下幸之助も「人間の運命を変えようと思ったら、まず、日々の習慣を変えるべし」という言葉を残しているように、多くの偉人が習慣の大切さを語っています。

ただ、「アメリカ独立宣言」の立役者である偉大な政治家であるだけでなく、米国発の公立図書館や現ペンシルベニア大学の創立者でもあるベンジャミン・フランクリンでさえ、何度も自分の意識を変えようとしては失敗しています。同じように、多くの人は良い習慣を身につければ人生が変わると頭では分かっているのに、決めたことを継続できないのです。

意識を生み出すには仕掛けが必要

だからこそ、僕らは意識を育てるための行動の仕組みが必要ではないでしょうか? 先の未来工業の蛍光灯の件も、エレベーターで「閉」ボタンを先に押す件も…どちらも日常の行動を変えるための仕組みが先にあります。その仕組みから行動が生まれ、繰返す中で意識が変わっていくのです。この順序を逆にすると、それは3日坊主で終わる精神論に成り下がってしまうでしょう。

ですから、僕らは良い習慣を身に着けようと思ったら、効果的な仕掛け・仕組みを持つことが大切ではないでしょうか? 根性論や勢いで乗り切れるのならいいですが、頭を使って仕組みを作った方が、習慣化が成功する確率は大きく上がるはずです。

PS
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この記事の執筆者

安永 周平 Shuhei Yasunaga

1982年生まれ。福岡県出身。九州大学工学部卒(修士)。『THE GO-GIVER』日本公式サイトの運営責任者。

 

トヨタ自動車で4年間、生産技術のエンジニアとして勤めた後、ダイレクト出版へ入社してセールス&マーケティングの仕事に従事。3ヶ月後、グループ会社である経営科学出版の事業を任される。年商2億ほどで赤字だった事業部を1年で黒字化。1枚のセールスレターで2万人超の新規顧客を獲得した実績もあり、マネージャーとして事業部の年商7億円突破に貢献。

 

5年目に独立し、福岡で寿コミュニケーションズ株式会社を設立。現在、建設業を含む2社の経営に携わり営業チームの強化に当たる。ボブ・バーグの日本における独占ライセンシーとなり、当サイト『THE GO-GIVER』を通じて、営業、士業、中小零細企業の社長に役立つ教育事業を展開中。福岡在住。

 

 

 

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筆者一覧

ボブ・バーグ

『THE GO-GIVER』著者
人材開発会社バーグ・コミュニケーションズ代表
経営コンサルタント

 

安永 周平

『THE GO-GIVER』公式サイト運営責任者
寿コミュニケーションズ㈱ 代表取締役

 

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