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交渉術, 人間心理

2018/11/30(金)

説得と心理操作の違いとは?

 

FROM ボブ・バーグ

“説得”とはどういうことだろうか。私自身もよく話題にすることなのだが、人を説得することと相手を操作することとの違いはどこにあるのだろうか。説得することによって相手の考え方を変えて何らかの行動を起こさせるというのは、心理操作しているのとは違うのか、という疑問はとても奥深いものだ。

説得と心理操作の違いとは?

さて、結論から言えば、説得するのと心理操作するのとは異なるものだ。人生において、ほかの人から影響を受けながら自分の元々の考え方が変わっていくというのはよくあることだろう。したがって、説得するというのは、あくまでそうしたことの一環にあたるものだ。つまり、説得とは、関わる人たち全員にとってよいことが起こるようにすること、と定義することができる。

一方で、そうした中で誰かひとりだけが利益を得るような状況であったり、あるいは誰かに不利益が発生したりするようなことがあれば、それは説得ではなく心理操作だと言えるだろう。この心理操作というのは、常にネガティブなもの。精神的、あるいは物理的に、何らかの強制力がそこに働いているのが特徴であるとも言えるだろう。

このように、心理操作することと説得することの本質的な違いは、行為者がどういう意図を持っているかというところにある。心理操作しようとしている人も説得しようとしている人も、人間の本質をよく理解し、何が相手にとって動機づけになるのかを熟知しているものだ。さらに説得する人というのは、それに関わるすべての人間がプラスの結果になるように考えを巡らせている、と言うこともできるだろう。

敵を味方にするためには逆のアプローチも有効?

これはどのような文脈にあっても共通になる。たとえば誰かと知り合いになりたい、友人になりたいと考えるときにも当てはまるものだ。そういったときに、説得が上手な人がとるアプローチは、多くの人が考える「友達を作る方法」とは異なるアプローチである場合もあるのだ。

たとえば、世間にはこんな考え方があることだろう。「自分がまず相手に何かをしてあげることで、こちらをよく思っていない人でもその考えを改めてくれるものだ」、という考え方だ。しかしこれは、常に正しいとは限らない。事実、アメリカの偉人である、ベンジャミン・フランクリンは、この考え方とはまったく逆のアプローチで成功している。

彼の自伝に、ペンシルベニア州の議会でのエピソードがある。彼はある優秀な議員の男性といずれ、しのぎを削リ合うような関係性に至る可能性を直感していた。彼は後々に備えてこの人物と”敵”ではなく”友人”として付き合うことを選んだと言うのだ。そして、実際にこのようにアプローチした。それは…

先に”与えてもらうこと”が有効である理由

彼は、自分が苦手としているその議員の書斎におもしろい本があるということを聞いた。それから彼に、その本を読ませて欲しいと手紙を書いたのだ。本を借り、読み終わって数日後にそれを返却するときには、メッセージも一緒に添えたのだった。感謝の気持ち、それからを「次に君が困ったらことがあればぜひ自分を頼ってほしい」という内容の手紙だった。

するとなんと、次にこの2人が会ったとき、その議員のほうからベンジャミンに友好的に話しかけたのだった。以後も良好な関係は続き、のちに自分に助けてくれるというようになったのだった。この2人の交友関係は死ぬまで続いたとも言われている。

このエピソードから、だれかと「友人になる方法」はなにもこちらから何かしてあげるだけが方法でないことがおわかりになられるだろう。こちらからまず相手に何かを頼み、一度こちらに対して親切な行動をとってもらう。この方法が有効なのは、先に相手側からこちらに対して親切にするのに比べたら、相手にしてみても親切を施す心理的ハードルが下がるということだ。意外と頼みごとをされたほうが、親切を行動に移しやすいものだ。

先に自分が与える側になるか、それとも与えられる側になるか。状況に応じてはどちらの方法も有効になる。そのシチュエーションに合わせてどちらの手法がより効果的なのかを考え、選択していけばいい。

そう、あくまで、説得しようする人物というのは、それに関わるすべての人間がプラスの結果になるように考えを巡らせているものなのだから。

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具体的な説得の方法についてはこちらからも学ぶことができます…

ボブ・バーグに学ぶ人を動かす交渉術とは?

 

 

 

この記事の執筆者

ボブ・バーグ Bob Burg

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

 

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

 

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

 

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。

 

 

 

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ログカテゴリー一覧

 

筆者一覧

ボブ・バーグ

『THE GO-GIVER』著者
人材開発会社バーグ・コミュニケーションズ代表
経営コンサルタント

 

安永 周平

『THE GO-GIVER』公式サイト運営責任者
寿コミュニケーションズ㈱ 代表取締役

 

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