「世界最強の商人」との対面

From ボブ・バーグ

今は亡きオグ・マンディーノは、極めて大きな成功を収めた人物だった。講演者や語り手としても活躍したオグだが、多くの人は、ベストセラーになったビジネス書の古典、『世界最強の商人』の著者として記憶しているのではないだろうか。この本は、たった1冊で、なんと3000万部以上を売り上げた。他の著書も素晴らしい名著で、今も順調に売れ行きを伸ばしている。

私は若い頃、大きなイベントで、何度か彼の前に講演をする機会に恵まれた。オグがこの世を去るほんの数年前の話だ。とても光栄だったから、ある時「あなたの“前座”を務められるなんて、人生最大級の喜びです。」と話しかけてみた。するとオグは、ただ笑って「自分の方こそ光栄だ」と言った。とても優しく、謙虚な方だった。

大きな成功を収めた人物ほど謙虚である

その1〜2年前の1992年7月、オグは全米講演者協会(NSA)の大会で基調講演を行なっている。45分の講演の中でオグはこう言った。「いまだかつて、自分1人の力で本物の成功を手に入れた人間は1人もいない」と。

そして、苦しいときや壁にぶつかったとき、手を貸してくれた様々な人の話をした。夫人や家族、同僚、友人…オグの紆余曲折の人生をご存知の人なら、そうした苦境や壁が、1つや2つでは済まなかったのを知っているだろう。極めて大きな成功を収めたオグでさえも、ネットワークの力をよくわかっていたと言えるだろう。

人は自分1人で成功などできない

私は、ネットワーキングとは「お互いに利益のある、ギブ・アンド・テイクの、ウィン・ウィンの関係を築き上げること」と定義している。では、辞書の定義はどうだろうか。ウェブスター辞典で「ネットワーク」という言葉を引いてみると、こんな意味が当てられていた。

糸、ワイヤー、ひもなどを一定間隔で組み合わせ、空間を残しながら結び合わせたもの。網。メッシュ。または、それに似たもの。

次に、私とウェブスター辞典の両方の定義から余計な部分を省き、新たに定義を作ってみよう。辞書の「糸、ワイヤー、ひも」の部分を「人」に置き換える必要もある。出来上がった定義はこうだ。

ネットワーキングとは、人と人とを一定間隔で組み合わせ、お互いに利益のある、ギブ・アンド・テイクの関係、ウィン・ウィンの関係を作り上げること。

あなたの人生の主人公はあなた自身だが、あなたのネットワークの中でも、中心に位置するのはあなた自身だ。これは同時に、他の人のネットワークではその人が中心だ、という意味でもある。ネットワークの中では、他の仲間全員と(紹介、協力、情報提供といった形で)支え合う間柄にあるのだ。ネットワークの桁外れの力を知る人間は、次の大切な事実をよくわかっている。

人は誰かに寄りかかっているだけでもなければ、
完全に一人立ちしているわけでもない。
誰もがお互いに持ちつ持たれつの関係にある。

あなたのネットワーク(グループ)の中にいる人間は、あなたの知らない別の誰かのネットワークの一員でもあるのだ。ということは、その「別の誰か」も、間接的にはあなたのネットワークの一員だという見方もできる。それを理解することが、ネットワークの真の力を活用する第一歩になる。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。