[2/3]紹介の持つ7つの利点

FROM ボブ・バーグ

さて、前回の続きだ。今日は紹介が持つ7つの利点の後半を解説しよう。

利点4:
何もしなくても、紹介ベースの営業マンにポジショニングできる。

別の言い方をするなら、紹介で得た見込み客は、すでに「鍛えられて」いるということだ。あなたの仕事を理解し、あなたが紹介ベースで営業しているという心構えができている。

この人は、紹介をもらえるだけの価値を持った人間なのだ。紹介を活用するのが流儀なのだ。だって、そうでなければ自分と出会うことはなかったのだから!

そのように感じ、商談が終わったら、あなたに別の誰かを紹介するのが自然だと思うだろう。紹介を回すのをためらったり、迷ったりしにくくなる(あるいは、全くしなくなる!)。

紹介で営業をする最大のメリット

実は、私はこれこそが、紹介で営業をする最大の利点なのではと思っている。実際、紹介経由のアポイントメントでない場合、新しい顧客やクライアントに紹介を求めても「抵抗」に遭うことが多い。それは、取引がうまく成立した時でも変わらない。あなたにも経験があるのではないだろうか。

相手はあなたを気に入って、商品やサービスを買ってくれた。ところが、いざ紹介を求めると、向こうは何だかガッカリさせて申し訳ないという雰囲気を出しながら言う。

「いやぁ、営業マンを友人に紹介するのは、本当に好きじゃないんですよ。」

なぜ、相手はそう思うようになったのだろう?もしかすると過去に、友人に紹介を回してみたら、自分がすごく気に入っていた営業マンが、友人には大不評だった…なんていう経験があったのかもしれない。

そして、電話でこんなふうに言われたのかもしれない。「ねえ、私のことを思うなら、これ以上、営業マンに私を紹介しないで。いい?」。そして、その言葉が胸に突き刺さった…その瞬間から、2度と過ちを犯すまいと固く心に誓ったのかもしれない。もしそうだとしたら、そうなってしまったことを、いったい誰が責められるだろうか。

人が知り合いを紹介する時の不安要素

それに、憶えておいてほしい。紹介経由ではない…たとえば、会社のマーケティング部が集めてきた見込み客や、たまたま会社のホームページに問い合わせてきた見込み客に対して、あなたが紹介を求めたとしよう。その見込み客は、自分の知り合いに対して、あなたがどういう行動を取るのか、ほとんど予想できないのだ。

一方で、友人や同僚からの紹介であなたと合っていれば、「この人なら紹介しても大丈夫。」と納得してもらうのが、はるかに簡単になる。つまりあなたは「品質保証付き」の人物になるわけだ。そのポジションを活用しながら営業を続けることができる。

紹介経由であれば、あなたが「デキる人間」であり、家族や友人、ご近所の方々へ紹介する価値のある人間だという証明はもう済んでいる。相手の頭の中でこのように位置付けられることが、後に果てしない差を生むのだ。そして、紹介の重要性にはもう1つ上のステップがある。次はそれを見ていこう。

利点5:
紹介は、見込み客にとって間接的な体験になる。

ファーガル・バーンは、イギリスの雑誌『ザ・ディレクター』に載った「紹介を使って売り上げを増やす方法」という記事で「紹介は、個人や企業に対して、製品やサービスにおける、リスクの少ない間接経験を提供する。」と書いている。では、この「間接体験」とは何を意味するのだろうか?

間接と言う以上は、使うのは見込み客本人ではない。間接体験とは、見込み客が知っていて、気に入っていて、信頼している人間が、「前もって」商品を使い、その価値に満足しているため、見込み客にもその体験や知識が伝わることを指している。

マーケティング・コンサルタントのジョージ・シルヴァーマンは言う。

「今すぐ買わない唯一にして最大の理由は、いいクチコミがないことだ。いい口コミは、人が商品を受け入れ、馴染むスピードを劇的に速めてくれる。」

また同じ記事で、英国のマネジメント・トレーニング企業、オーク・ツリー・マネジメントのスティーヴ・クロウはこう言っている。

「我々は、紹介があれば、最初の正式な顔合わせから3週間で仕事の話に入れることを発見した。普通は半年から1年…場合によってはもっと長くかかることもあるのに、だ。この事実は、我々の成長率に大きなインパクトをもたらした。値段が問題になることも、おおむね少なくなった」。

憶えておいてほしい。仮に見込み客が、営業マンのことを直接知っていて、気に入っていて、信頼していなくても、「紹介元から借りている信頼」があれば、ロバート・チャルディーニ博士の言う「社会的証明」の原則がはたらき、セールスのプロセスは加速する。

…ちょっと長くなってしまった。残りの2つの利点は、また次回の記事で解説することにしよう。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。