[3/3]紹介の持つ7つの利点

FROM ボブ・バーグ

さて、お待ちかね。前々回前回からの続きだ。紹介の利点、最後の2つについて解説しよう。

利点6:
紹介元は、あなたへ義理を感じ、紹介を与え続ける。

少し奇妙に感じた方もいるのではないだろうか?なぜ紹介を回す側が、紹介をもらうあなたへ義理を感じるのか?普通は逆ではないのか?そう思うのも無理はない。では、ここで再びチャルディーニ博士の知恵を拝借しよう。博士はこの現象を「一貫性の法則」と呼んでいる。

人は、何かを選んだり、自分の立ち位置を決める必要に迫られる度に、「一貫性を持って行動しなくてはならない」という内外からの重圧を感じる。その重圧が、「前回の決断は正しかった」と証明できる選択を取らせるのだ。

人は「前回と同じ行動を取る」ように自分を説得する

つまり、「今までの選択は正しかった」と自分を納得させ、自らの判断に安心しようとするわけだ。これは極めて単純な話で、「人は以前の行動との一貫性を保ちたい(また、保っているように思われたい)」という願望があるのだ。

私は以前、ごく私的に数年がかりで、この原則の正しさを調査した。そして、この原則が、人間の行動をとりわけ強く…場合によっては何よりも強く決定する原則だと確信した。

簡単な話だ。私たちは皆、個人的、心理的、感情的、そして自己中心的な決断を下す度に、心の中で、その判断が正しいと信じ込もうとする。そして、正しいのだから判断を変える必要はないと考え、一貫した行動を取る。たとえ、目の前の全てのものが「この判断は間違っていた」と物語っているとしても。

「自分は間違っていない」と思いたい…

「人は前回とは違う決断を絶対にしない」などと言うつもりはないが、変えるには決定的かつ絶対的な根拠が必要だ。しかも、そうした根拠があったとしても、実際に変えるとは限らない。

ところで、この原則を信じないと心に決めている人は、私がいくら説得したところで、まず考えを変えることはないだろう。それはそれで構わない。誰にだって、自分の意見を持つ権利がある。それでも、人間の本質に根ざしたこの原則の正しさが身に染みれば、人生で大きな過ちを犯すのを避けられる。

紹介に話を戻すと…1度味方についてくれて、あなたを助けたいと思うようになってくれた相手が、その後ずっと同じようにしてくれる理由も、これで理解していただけるだろう。

利点7:
紹介は時間の節約になる。

あなたの仕事が、新規開拓の営業である場合、あなたは仕事の大半の時間を、売上に直結しない行動に費やしていること可能性が高い。まずは、見込み客のいる市場…つまり「どこに見込み客がいるのか?」を見つけなくてはならない。当然、時間のかかる作業だ

次に、色んな人と会ったり、受話器の前に居座って電話をかけたりしなくてはならない。またしても時間のかかる作業だ。そして、あなたに興味を持ってくれる人と、そうでない人との選り分けもしなくてはならない。これはさらに時間がかかる

アポを取りつけるための電話をかけても、「紹介元から借りた信頼」がないから、何度も何度も繰り返さなくてはアポが取れない。知り合いからの紹介ではなく、事前にふるいにかけられているわけでもないから、こちらに興味がない人、もしくは自分と合わない人ともたくさん話をしなくてはならない。さらに多くの時間が無駄に費やされる

そしてようやく、あなたの商品を必要とし、欲しがり、買うお金もあるように思える見込み客へと商談をするところまで辿り着く。ところが、その予想もあなたの勘違いかもしれない。

なんという時間の無駄遣いだろう!

もし、紹介ベースで営業活動をしていれば、あなたがふるい分けをしなくても、自分に合った見込み客が常にあなたの前へやってくる。彼らはあなたの商品やサービスを間違いなく必要とし、欲しがり、しかも買うお金がある。共通の知り合いを介した出会いなので、理想的な「次の紹介元」になってくれる可能性も高いのだ。つまり、紹介ベースの営業では、あなたは自分の時間を最高に効率よく使えている。費やす時間は減り、収入は増える。それに、楽しさも段違いだ。

欧米では「虹の果てには宝の山が埋まっている」という言い伝えがあるのをご存知だろうか?あなたが時間をかけて掘るべきは、お金の眠っている場所だ。虹の向こうにある宝の山の在り処…それはどこだろうか?それは、あなたから商品・サービスを買ってくれる人たち、必要としてくれて、欲しがってくれて、買う力もある見込み客たちの目の前ということになる。

当たり前の話だって?もちろんそうだ。ところが、ほとんどの営業マンは、虹よりも手前の場所…つまりは宝の山など存在しない場所を掘るのに大量の時間を注ぎ込んでいるのではないだろうか?ゼロから見込み客を見つけ、電話をかけ、選り分け、資料を送る…といったあれやこれやに。

宝のない場所を掘っていないか?

誰だって、探るならお金の眠っていそうな場所がいいに決まっている。話をして、売り込みをかける見込み客は、できることならいつだって「YES」と言い、あなたに売上をもたらし、同時にあなたの極上の商品やサービスで、生活をいっそう豊かにできる人であってほしい。

もしあなたが、そうした常にお金が見つかる「宝の山」をビジネスの基盤にしたいのなら、何よりのカギは知り合いから紹介をもらうことになる!ビジネス・コンサルタントのポール・エドワーズとサラ・エドワーズの夫妻は言う。

「サービス業の仕事の最大45パーセントは、知り合いからの口利きや紹介を元に発生したものである。」

紹介の利点は、決して曖昧で、実感しづらいものではない。紹介は具体的で、必要不可欠で、そして有益な財産だ。紹介獲得の作戦を練り、止まない紹介を得ている自分を想像しよう。そして、正しいプロセスに沿って行動する。そうすれば、確実に紹介はやってくるのだ。

さて、3回に分けてお届けすることになったが、いかがだろうか?止むことのない紹介の連鎖は、あなたの仕事や人生にどれほど大きな恩恵をもたらすだろうか?私の経験上、紹介がもたらす7つの利点を心の底から理解したのなら、紹介獲得のスキルを習得するのがいかに大変であろうと、労力を惜しむべきではないと思うのだが…あなたはどうだろうか?

私の経験が、あなたの仕事の参考になれば幸いだ。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。