FROM ボブ・バーグ
時々、私は「顧客に紹介を求めるベストなタイミングはいつですか?」と聞かれることがある。結論から言えば、それはやはり、取引が成立した「直後」だ。
あなたが、たった今商談で取引を成立させたとしよう。見込み客は、今やあなたの新しい顧客だ。そして、今こそ紹介を求める絶好の…いや、最高の時なのだ。
もちろん、既に相手があなたのことを、知っていて、気に入っていて、信頼しているような関係を築けていれば、紹介はいつ求めても構わない。それでも、紹介を求めるタイミングとしては、顧客があなたから商品を買った「直後」に求めるのが、私たちが考え得る限り最高の選択肢であることは疑いようがない。なぜか?
取引が成立した直後に
あなたが紹介を求めるべき2つの理由
1つは、まさにその瞬間、顧客がこれまで感じたことがないような最大級の高揚感を味わっているはずだからだ。その瞬間を逃したら、もうあなたのことを好きではなくなる…というわけではない。あなたは今後も、気配りのある素晴らしいアフターサービスを提供するのだから、顧客は引き続きあなたを懇意にしてくれるだろう。
それでも、プラスの感情が最も高まっているのは、やはり取引が成立した直後である「今」だ。購入するかどうかの決断というのは(多額のお金が絡んでいる場合は特に)、人間の感情を大きく揺り動かす。
「人は感情で物を買い、理屈でそれを正当化する。」
きっとあなたも、この言葉を聞いたことがあるだろう。私たちは皆、そうやって購入を決断している。決断の瞬間、脳からは恍惚感をもたらす脳内物質(エンドルフィン)が分泌され、私たちは自分に、そして取引をしたことの正当性に心地よさを感じる。であれば、今が紹介を求める最高のタイミングであることも、当然の結論だろう!
2つ目の理由は、またしてもロバート・チャルディーニ博士の話を参考にするとわかりやすい。博士は「社会的証明」の原則として「人間には他者の判断を自分の判断の根拠にする性質がある」と主張した。
博士が言うように、「我々は、ある状況での自分の行為を評価する時、他にもその行為に及んでいる人が多いほど、妥当性が強いとみなす」のだ。言い換えると、人間は自分の行動の正しさを「他の人も同じようにしているかどうか」で判断する傾向があるということだ。
紹介の持つ7つの利点の中で、社会的証明の例として「同じ社会集団の仲間からの紹介があった方が、アポイントメントが取り付けやすい」という話をした。そして、社会的証明の原則は、成約後にもはたらく。あなたと取引をした相手は、同じ社会集団(友人、家族、ご近所、同僚…等々)の仲間が同じ判断をしたかどうかで、自分の行動(この場合は購入)の妥当性を測る。そして、あなたに知り合いを紹介する行為は、彼らにとっては、自分が購入したことの妥当性を高める機会になるというわけだ。
相手は友人や同僚を紹介したがっている?
そんなわけで、相手は今、友人や同僚をあなたに紹介して、できればその人たちが同じように購入してほしいという強い想いを抱いている。おそらく本人は意識していないだろうが、それは問題ではない。紹介を求める行為というのは、嫌がられるどころか、実際には大いに歓迎されるものだ。だから、自信を持って求めよう。
さぁ、相手は買ってくれた。今こそ紹介を求める時だ。今こそ差のつけ時だ。それなのに、なんとも驚くべきことに、ほとんどの営業マンは、どういうわけか、ここで紹介を求めない!「お願いしない」「正しくお願いできない」というだけの理由で紹介がもらえないなんて…こんなにもったいない話はない!
紹介は「ボーナス」でも「サプライズ」でもない
憶えておいてほしい。紹介は、いい営業トークができれば手に入るとは限らない。最高のアフターサービスを提供できれば得られるとも限らない。それは迷信だ。
紹介は、正しい手順で紹介を求めるプロセスを進めた結果、はじめて得られるものなのだ。それができれば、あなたはきっと、たくさんの紹介と、素晴らしいビジネスと、仕事への大きなやりがいを手に入れることができるだろう。
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