「論破」という不毛な行為

FROM ボブ・バーグ

「議論に勝っても意味がない」

これはデール・カーネギーの言葉だが、まったくそのとおりだ。もし議論に負ければ、あなたの負けである。しかし、たとえ議論に勝つ(自分が正しくて、相手が間違っていることを示す)ことができても、相手に望んでいる行動を起こさせることはたぶんできないだろう。

なぜか?それは、相手の自尊心を傷つけているからだ。自尊心は人間にとって最も重要な感情である。その場合、あなたは相手を屈服させることができるかもしれないが、相手を納得させて動かすことができない。では、相手が明らかに間違っていることを言った場合、あなたはどうすべきだろうか。

明らかに相手が間違っている場合…

まず、「なるほど、そうですね」と言って賛同することだ。これは相手の警戒心を取り除く効果的な方法である。相手からすると、当然、あなたが反論すると予想していたのに賛同してくれていることに意表を突かれるのだ。

考えてみよう。相手はあなたが賛同してくれているのを知って安心するはずだ。しかし、あなたはそこでやめてはいけない。相手への賛同を表明したからといって、自分の主張を放棄すべきだということにはならないからだ。

たとえば、「私は、もしかしたらこうではないかと思うのです」とか、「実は、私はこんなふうに思っています」といった前置きの言葉を使って、相手の心理的抵抗をやわらげるのだ。

使ってはいけない接続詞

ここで、「ですが」とか、「しかし」という言葉を使っていないことに注目してほしい。そんなことをすると、自分がさっき賛同したことを自ら否定することになるからだ。だから大抵の場合、前置きの言葉を使うだけで十分である。

大切なのは、相手の警戒心を解いて、これから言おうとしている見解を受け入れてもらえるように配慮することだ。それができれば、もうすぐ相手を説得することができる。簡単な例で説明しよう。あなたは今、予定よりもかなり早くホテルに到着してしまったので、先にチェックインを済ませたいと考えているが…

受付「午後3時までは、宿泊客のチェックインを認めないのが当ホテルの方針です」
あなた「そうですね。方針に従う事は重要です。それなりの理由があるのでしょう」

あなたは議論せずに賛同している。あなたが賛同してくれた(ほとんどの人はそうしない)おかげで、受付スタッフは自分の立場を脅かされずに安心することができる。しかも、そのスタッフはあなたの提案を受け入れやすくなる。ここから、続けてこんなふうに言ったらどうだろうか。

「この方針が重要である理由は、部屋をきれいにして宿泊客を受け入れる準備をすることだと理解しています。だからこそ、私はいつもこのホテルを気持ちよく利用させていただいているのです。お手数をおかけしますが、現時点ですでに準備できている部屋があるかどうか調べてもらえませんか?」

受付のスタッフが調べている時、「もしチェックインできる部屋が見つからなければ、それで結構です」と言うといい。これは大変効果的なフレーズである。

私は自分の経験と多くの人からの情報で、この方法が功を奏することを確信している。もちろん、必ずうまくいくとは断言できない。しかし、もしチェックインできる部屋があるなら、あなたはおそらくチェックインさせてもらえるだけでなく、大変いい部屋をあてがってもらえる可能性が高い。

もしあなたが、受付担当の最初の発言にムッとして、感情的に反論したら…その人は身構えて押し問答になっていたに違いない。しかし、うまく対応すれば、相手に喜んで提案を受け入れてもらうことができる。

まず賛同しよう。説得するのはそれからだ

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。