仕事の利点、すぐに言える?

FROM ボブ・バーグ

自分にとっては当たり前の話なのに、他の人にとっては意味がわからないという場合がある。たとえば、あなたの知り合いや仲の良い友達の中に「何だかよくわからない仕事」で生計を立てている人はいないだろうか?

私の友人に、技術系の会社で副社長を務めるトムという男性がいる。仕事は何をしているかという問いに対して、トムは「エンジニアです」と答える。それで私に何がわかるだろう?他の人に何がわかるだろう?お察しの通り、何もわからないのだ。

紹介をもらう機会を失っていないか?

私は、機会があれば彼に仕事を紹介したいと思っているので、仕事の内容や、どんな人がお客さんになるのかといったことを、普通の人にわかる言葉で説明してほしいと何度も頼んでいる。しかし残念なことに、私には今だによくわからない!トムはまだ、自分の仕事を説明するための術を持っていないのだ。

「コンピューター・コンサルタント」をやっている友人もいる。コンピューター・コンサルタント…とは、いったい何だろう?私にはどうとでもとれる言葉のように思うのだが…違うだろうか?これを聞くと、私は映画『花嫁のパパ』のあるシーンを思い出す。スティーヴ・マーティン演じる主人公に、もうすぐ義理の息子なる花婿が「私は国際コンピューター・コンサルタントです。」と言う。そして、「…と言っても、周りには”無職”と言ってるように聞こえるみたいですけどね。」と笑いながらつけ加える。実際その直前、スティーブは妻に「彼は無職じゃないだろうな?」と聞いていたのだ。

ここでの問題は「エンジニア」や「コンサルタント」といった、意味が広くて曖昧な言葉だけではない。もっと具体的で、仕事内容がハッキリわかりそうな職業であっても、その分野に馴染みのない人にとっては、実際に何をやっているかがわかりにくい場合がある。そこで、この問題を解決するために、1対1の営業では一般的な方法である「特徴と利点」の力を借りることにしよう。

特徴と利点の違いを知るのが、問題解決の第一歩

特徴と利点の違いは何か。簡単に言えばこうだ。

特徴:それが「何であるか?」(特徴)
利点:それが「何をするか?」(問題の解決や願望の成就)

営業のトレーニングでは通常、この2つの違いを教え込まれる。それは、プロの営業にとって「消費者は製品やサービスの特徴ではなく、それを手に入れた時に得られる利点を考えて買う」という点を理解することがものすごく大切だからだ。また利点は、時に正反対の2つを同時に表す場合もある。つまり、消費者の願望を満たしつつ、問題を解決するものになり得る。

営業をしていた頃、よく例えとして使われたのが、寒い地方に住む年配の女性の話だ。凍える真冬のある日、女性がヒーターを買いに家電量販店へやってきた。そこで舌がよく回る、売り込みの達者な売り場担当が近づいていって、ヒーターの素晴らしい特徴についてとうとうとしゃべり始めた。

担当は、さまざまな情報を巧みに語って聞かせた。ヒーターの素材、構造、さらにはワット数…続けて、開発に要した調査・研究の過程や、機能のあれこれについても解説した。極めつけに、製造場所や開発期間といった話までした。すると、そのマシンガントークを黙って聞いていた女性が、穏やかにこう尋ねた。

「何でもいいのですけど…夜に部屋は暖かくなるのかしら?」

これが特徴と利点の違いだ。

また、フランク・マグワイアは、FedEx(フェデラル・エクスプレス)の創業者の1人にして、私のよき友人でもある。そのフランクがこんなことを言っている。

「私たちは、早い段階で『配送』ビジネスはしないと決めた。やるのは『心の平穏』ビジネスだ。私たちの顧客が何より恐れるのは、配送が遅れることなのだから。」

配送が遅れると、送り先との仕事がダメになってしまったり、最悪の場合、事業そのものを破滅させたりしかねない。届くのが遅れることは、フランク達のクライアントにとって1番わかりやすい問題であり、1番の悩みの種だった。そしてフランクは、何があろうと(たとえ真夜中であっても)予定時刻に「絶対に、確実に」荷物が届くという『安心』がクライアントにとっての利点だと分かっていたのだ。

紹介をもらうために効果的な『利点表明』

さて、あなたは自分の仕事の「利点」を今すぐに言えるだろうか?7秒以内に説明できるだろうか?私はこれを『利点表明』と呼んでいるが…これができなければ、たとえあなたに仕事を紹介したいと思っている人がいても、誰を紹介していいか分からない可能性が高い。だとしたら、せっかくの紹介を貰える機会を損失していることになる。

次回の記事では、この利点表明を作る方法についてあなたにお届けすることにしよう。ぜひ楽しみにしていてほしい。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。