怒りは「省略」によって起こる

FROM ボブ・バーグ

最初に断っておくが、今日取り上げるのは「怒りの原因」ではない。怒りが何から生まれるのかについては、多くの素晴らしい本が出ているので、ぜひそちらを参照してみてほしい。

それから、怒りがあなたの人生において大きな問題となっており、それがあなたや大切な人、その他多くの人にとって深刻で有害な状況になっているのなら、プロのカウンセリングを受けたり、このジャンルに関する良い本を読むことで投資をしたりすることをお勧めする。

怒りとポジティブに付き合うには?

さて、それを踏まえた上で、今日は怒りの感情とポジティブに付き合っていくための方法を見ていこう。怒りを用いることで、相手とWin-Winの関係を築く方法だ。以前、私はクライアントから次のような相談を受けたことがある。

「私はすぐにカッとなってしまうんです。怒鳴り散らすことで怒りを発散しようとする人間なのです。みんなが私のことを『いつも怒っている』と言っているのも知ってます。しかし、私はこういう人間です。どうすることもできません。」

さて、これは本当だろうか?ここで、ちょっと想像してみてほしい。強い怒りを感じた時、ついカッとなって我を忘れそうになる時…あなたの目の前に銃を持った男が現れて、こう言ったとする。

「動くな。ちょっとでも喋ったら殺すぞ。」

この時、それでもあなたは理性を失い、カッとなって怒鳴るだろうか。それとも、怒りをコントロールすることができるだろうか。答えは言うまでもないはずだ。

私たちは怒りをコントロールできる

これはちょっと現実離れした、大袈裟な例ではあるが、言いたいことはわかるだろう。つまり、私たちは「怒りをコントロールすることができる」のだ。少なくとも、何らかの対処をすることはできる。人はこれを「自制」と呼ぶ。

これは必ずしも簡単なことではないが、不可能でもない。私たちが意識的に行うことのできる行動の一つだ。オリゾン・スウェット・マルデンは、1909年に出した古典の中で、こう言っている。

「自制心は、品性そのものである。真っ直ぐに前を向き、冷静で落ち着いた男性として見られるための条件だ。腹の立つことがあっても、少しも感情的になることなく、それによって類まれなる力を得ることができるものだ。常に自分自身の『主人』でいることで、あなたの品性に強さと尊厳が生まれる。もはや、誰も叶うものはいないと思えるほど、あらゆる面で強化される。これこそ、感情をコントロールすることで得られる境地である。」

マルデンの機知に富む言葉には、偶然にも父から教わった言葉と一致するところがある。それは、「強い人」の定義だ。つまり、「自分の感情をコントロールし、敵を味方に変えられる人」のことだ。これを念頭に置いた上で、私たちが感情をコントロールし、怒りによって自分がコントロールされないようにする方法を見ていこう。

怒りは「省略」されたコミュニケーション

ラビ・モシェ・ゴールドバーガーは、著書の中で、家族間のコミュニケーションをよくしたい思う人なら、誰もが1度は考えるべきことについて述べている。それは次のような言葉だ。

「怒りとは、省略されたコミュニケーションである。これは、友情や暖かみを伝える私たちの能力を阻害してしまう。」

これは、とても大切なことではないだろうか。最愛の人とのコミュニケーションにおいて、意図的にこれを省略したいとは思わないだろう。それに、妻や夫、子どもと話す時、暖かさや友情を与えたり、感じたりできないことほど辛いものはない。

あなたが求めているものは何か?

ここで自問してみよう。あなたが「変わりたい」と思う動機は何だろう。どんな喜びを求めていて、どんな痛みを避けたいのだろうか。怒りをコントロールして、状況をよりポジティブで建設的なものにすることで、どんなことが変わるだろうか?これを明らかにしておこう。また、ラビは、こうも言っている。

「怒りとは誰にでもある普遍的な感情であり、ある出来事に対する個人の『解釈』がトリガーとなって起こる。極論を言えば、怒りとはその人が選択した結果である。私たちは怒りによって『反応』するという選択をする場合があるが、それは『自制心を失った状態』とも言える。」

ここで「リフレーミング」について考えてみよう。L・ミカエル・ホールは、著書の中で、リフレーミングとは「ある出来事や考え方を、別の枠組みで見たり、異なる視点で考えたりすることで、捉え方を変化させること」だと言っている。

怒りにコントロールされないために…

彼は、まず何か「出来事」が起こり、それに対して私たちが「意味付け」をしていると言っているわけだ。つまり、実際の出来事は変わらないが、私たちの意味付けや解釈は変わるということ。そして、ホール博士はこうも言っている。

「私たちが設定したフレーム、私たちのために設定されたフレーム、私たちが選んだフレーム…これらはいずれも、私たちの心と体を通した全ての経験に影響を与える。ただ、どういったフレームが使われているかは、通常、私たちがコントロールしているわけではなく、無意識に行われている。そして、フレームを意識していなければ、私たちはフレームに操られることになる。しかし、フレームを意識すれば、私たちはコントロールを取り戻すことができるようになるのだ。」

どのように解釈するかで、私たちがどんな「感情」を持つかが変わるのだ。ぜひ、これを忘れずに覚えておいてほしい。

PS
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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。