FROM ボブ・バーグ
商談が上手くいかなかった相手から、紹介をもらうことは可能だろうか?この答えは、もちろんYESだ。ただ、成功するかは状況次第だし、セールスの成否があなたへの信頼に影響されるタイプの商品かどうかも関わってくる。
あなたの売っているものが、相手の家の大きさやビジネスの業種など、何かのパラメーターが売れ行きを左右する商品であれば、可能性はあるだろう。しかし、単に個人の好みや購買意欲が問題になる商品の場合、買わなかった人から紹介をもらうのは難しい。
注意:買わない理由が値段の場合…
例えば、買わない最大の理由が値段だとする。つまり見込み客は、値段に見合う価値が、その商品にはないと考えている。こうした相手は、おそらく紹介状を書いてはくれない。それに、そういう相手が紹介をしてくれたところで、あなたは本当に嬉しいだろうか?
商品を買わなかったスティーブが、知り合いを紹介してくたとしよう。しかし、もしあなたが、その見込み客から「どうしてスティーヴは買わなかったの?」と聞かれたら、あなたはどう答えるというのか?「まぁ、スティーヴ様は買う価値がないとお考えのようで。ただ、お客様は違うのではないかと」と言うだろうか?…ダメだ。これでは『社会的証明』の原則があなたに牙をむいてしまう。
一方で、家の形が取り付けに向かなかったなどの理由で、泣く泣く購入を断念したなら話が変わってくる。「スティーヴはどうして買わなかったのですか?」と見込み客から聞かれても、今度は答えられる。「それはですね、ご自宅の形状の問題で、取り付けができなかったのです。大変ガッカリなさっていましたが、せめてご友人の方々には、その恩恵を受けていただきたいと望んでいらっしゃるのです」と。
何と言って紹介をもらえばいい?
買わなかった見込み客から紹介をもらいたい時には、こんな言い方ができる。
「スティーヴさん、ジョアンナさん。こちらの商品は、残念ながら今のところお2人向けではございませんが、お知り合いに、気に入ってくれそうな方はいらっしゃいませんか?」
2人は「いる」と答えるかもしれないが、それだけでは、彼らが紹介を回してもいいと思っているかはわからない。あなたを傷つけたくなくて言っているだけかもしれない。そんな時は、こう続けてみるといい。
相手の本音を聞き出す質問
「1つ伺ってもよろしいでしょうか。今夜ご一緒させていただいた中で分かったことがあります。それは、お2人が購入はしなかったこと。それだけでなく、とても誠実な方だということです。実は、私はお2人から紹介をいただきたいと思っているのですが、そのためには、お2人の正直な気持ちを聞かなくてはいけません。」
「10段階評価で、『全く話にならない』が1、『間違いなく最高』が10だとすると、お知り合いの方が、この商品に、どれくらいの評価をされるとお考えでしょうか?」
もし、答えが「まあ、2か3だね」なら、私は話を切り上げて丁重にその場を辞だろう。もちろん、理由を尋ねて不満を解消するという選択肢もある。そうする価値があればの話だ。逆に答えが「考えるまでもない。10ですよ」なら、紹介状を書いてもらう。
ここで、サンドラー・セールス・インスティチュートの創設者、今は亡きデイヴィッド・サンドラーが書いた『You Can’t Teach a Kid to Ride a Bicycle in a Seminar(仮邦題:自転車の乗り方はセミナーでは教えられない)』の中から、すばらしいテクニックを、言い回しを少し変えて紹介しよう。
声に出さない相手の不満を聴く方法
サンドラーはこう言っている。相手が7か8と答えたら、「10にするにはどうしたらいいですか?(何をする必要がありますか?)」と聞きなさいと。その答えは、最大の不満を解消する方法でもある。それがわかれば、紹介をもらうのはもちろんのこと、彼らと取引を続け、あなたのすばらしい商品やサービスを手に入れてもらうことさえできるかもしれない。
そう、相手が正当な理由があって買わなかったのなら、紹介はもらえる。それでもこういった場合は、相手が本心から「他の人にはきっと役に立つ」と思っているのか…つまり、買わない理由が本当に「不満」ではなく「条件(構造的な問題や、そもそも向いていないなど、絶対に覆しようのないもの)」なのかを、しっかり確認しなくてはいけない。
そうそう。紹介元となる相手の不満は、紹介経由の見込み客の不満と同じとは限らないので、そこは気をつけておこう。とはいえ、もっと大切なのは、良質な見込み客を紹介してくれる人と、たくさんつながっておくことだ。そうすれば、買わなかった人から紹介をもらえるかどうかを心配する必要もなくなるのだから。
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ちなみに「保険」は、誰もが必要とする商品であるし、商品の内容(プラン)を理由に購入しない…というケースは少ないもの。保険が売れない、紹介をもらえない…とお悩みなら、まずは大前提を見直してみてはいかがでしょうか?
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