何が“洗練さ”をもたらすのか?

FROM ボブ・バーグ

さて、早速なのだが、あなたは「洗練」という言葉を聞いて何を思い浮かべるだろうか?自分の仕事が非常に得意な人だろうか?それとも、特定の分野で優れた技術を持っている人だろうか?あるいは、それ以外の何か別のことを思い浮かべるのかもしれない。

今日は、この「洗練」という概念について考えてみたい。

価値というのは、様々な形を通してやり取りされるが、そうした形の1つに「洗練さ」を介した価値がある。それは、時として「単にやるべきことを上手くやっている」という意味にとどまらないこともある。私の友人であるジョー・キャロウェイは、著書『Be the best of what matters most』の中で、こうしたことについて深く考察している。

「洗練さ」とは?

どのような業種であっても、仕事をする上で洗練すべき特性…つまりコア・コンピテンシー(※注釈①)があり、それがなければ大した価値を生み出すことはできない。意図的に感動させようとしてする行動よりも、やるべきことを「洗練さ」を以て行う人の行動の方が感動するものなのだ。ある意味で、それ自体が「感動的な体験」となる。

簡単に言えば、「洗練さ」とは、何かをする時に、それをどのようにするかを表したものだ。私の好きな偉人の1人、ブッカー・T・ワシントンも「洗練とは、平凡なことを、非凡なやり方ですることだ」と言っている。

また、洗練さには別の側面もある。それは、視点を変えるということだ。たとえば、誰かとやり取りする時に、常に相手の立場で「この行動で、相手はどのように感じるだろうか?」と自問しながら、相手の気分をよくすることを心がけるということなのだ。

例として、リッツ・カールトンホテルを見てみよう。リッツ・カールトンでは、ホテルの敷地内のどんな場所であっても、スタッフは常に洗練された挨拶をしてくれる。それは、英語圏で言えば、スタッフは決して「Hi!」とか「How are you doing?」といったフランクな挨拶はしない。時間帯に応じて、常に「Good morning」「Good afternoon」「Good evening」といった丁寧な挨拶をしてくれる。

リッツ・カールトンのスタッフが必ず「My pleasure」と言う理由

また、スタッフに何かを頼んだ時、あなたがお礼に「Thank you」と言うと、決して「No problem」とか「Your welcome」とは言わない。必ず「My pleasure」と言って、喜んで奉仕させてもらっていることを言葉で伝えてくれる。しかも、それは上っ面の言葉ではなく、彼らの本心なのだ。

これはリッツ・カールトンホテルの例ですが、リッツ・カールトンでなければできないことではない。他のホテルチェーンであっても、あるいはモーテルのような簡易宿泊所であっても、スタッフが同じようにお客様に対応することはできるはずだ。

実際、他のホテルでも、時としてこのように挨拶をしたり、「Thank you」という言葉に対して「My pleasure」と返したりすることもあるだろう。しかし、常に…となると難しい。規模の小さいモーテルでも、民宿のような数人規模の宿であっても、やろうと思えばこうしたことはできるはずなのに、やろうとしない。

このように言うと、もし民宿のような数人規模の宿屋のスタッフが、宿泊客に対してリッツ・カールトンのような洗練された挨拶をしたからといって、リッツカールトンの客がその民宿に来ることなんてない…と言う人がいるかもしれない。それは、その通りだ。リッツ・カールトンではなく、別のホテルチェーンの客を獲得することだって、きっとできないはずだ。

あなたが洗練さの体現するならば・・・

しかし、その宿屋が本来ターゲットとしている客層から、新たな宿泊客を獲得することはできる。もっと言えば、こうした洗練さというのは、ホテル業に限らず、人と交流する機会があれば、いつだって取り入れることが可能なアイデアだ。

小さなことで言えば、呼び出し音が鳴ったらすぐに電話を取ることもその1つなのだ。大切なのは、相手に、「自分は歓迎されている」と感じてもらうことだ。これは、サービスを提供する側とされる側の間で交わされている「礼儀」なのだから。

あなたが、あるスタッフから良質なサービスを受けたら、後日、そのスタッフに個人宛でお礼のカードを送ることも、洗練さを体現した行動だ。逆にあなたが「Thank you」と言われた時に、本心から「My pleasure」と返すようにすれば、それもまた洗練さの体現なのだ。洗練さとは、何をするかではなく「どのようにするか」であり、それ以外で発揮することはできないのである。

-PS-
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※注釈①
コンピテンシー:「能力」や「適格性」などを意味する語。competency。特にビジネス用語で、高い成果を上げる人の行動特性、行動のフレームワーク、などを意味する語として言及されることが多い。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。