FROM ボブ・バーグ
前回の投稿を少し整理しよう。シンプルに言えば、私たちは望むような結果や成果を得ようとするならば、それを取り巻く原理原則に着目しなければならないということだった。
しかしながら、結果や成果に対して着目すべきでない、重要でないと言っているわけでない。ぜひ、それと混同しないで欲しい。ただ、シンプルに次のことを理解することが必要になる。それは、私たちの世界に存在する原理原則を否定したり、歪曲するのではなく、ただ素直に受け入れることなのだと。
さて、前回の続きに戻ろう。それはビジネスや人間関係における普遍の法則やその作用についてだった。
人類不変の法則もまた、物理的な法則性と一緒?
ビジネスや人間関係…すなわち人に関わる法則性もまた、物理的な法則性と同様に真理だ。ところで、突然だが、あなたのまわりに次のような彼、彼女はいないだろうか。あなた自身に問いてみて欲しい。
その彼は事実を見ない…
その彼女は価格ばかりを気にしている…
その彼はエゴに満ちている…
その彼女は自分が間違いを自覚しながらもその主張をやめない…
さて、思い当たるような人々はいただろうか。こうした例示からわかるように、こうした性質は私たち人間と切っても切れないものだ。そして、彼、彼女たちの一見誤っていると思うのような意識決定に深く関わっているのが彼ら自身の感情でありエゴなのである。
デールカーネギーが教える人間の普遍の法則とは?
ここに、全ての人間にとって適用される人類普遍の法則がある。また、これは私が深く同意する偉大な法則性でもある。その法則性について、かのデール・カーネギーの名著『人を動かす』の中で次のように書かれている。それは…
「究極的には、人は自分のために行動するのであり、他人のためには行動しない」
このように、究極的に人というのは自分のために行動しようするものだ。だからこそ、あなたがセールスであれ、リーダーであれ、人を動かす必要がある場合には、この点に注意しなければならない。言い換えれば、相手の行動する理由について理解することが必要になる。
例えば、あなたはある会社のマネージャー職だとしよう。あなたの仕事や組織での行動の理由が、月の売上を増やすことだとしても、部下やチームのメンバーにとっては、ラクにそして早く仕事を済ませたいというのが行動の理由かもしれない。
もちろん、こうした理由の相違はあって当然だろう。ただ、重要になるのは、そのような相手の理由を理解し、自分の理由とも擦り合わせたり、あるいは共有できないかを模索することにある。
そもそも、「人は誰でも、それをすることで自分が幸せになると信じ、その言動や行動する。しかし、その全ての行動が幸せに直結しているわけではない」。そして、人は間違いを犯すものだ。ただ、全ての行動は自分の幸せにつながると思ってなされているのだ。
だからこそ、着目すべきは、何が相手の幸せとなるのか、その動機や理由を深く理解し、それを受け入れ、自分と相手の持てるリソースや選択肢の中でより良い結果や成果をもたらすことができないかを探ることだ。
「究極的には、人は自分のために行動するのであり、他人のためには行動しない」「人は誰でも、それをすることで自分が幸せになると信じ、その言動や行動する。しかし、その全ての行動が幸せに直結しているわけではない」…これらは私たち人間の本質に関わる法則性になる。だからこそ、この法則性を理解し、受け入れることでによって、相手を人を動かすことのできる人となる。
であるからこそ、あなたがその法則性を受け入れ、相手の幸せや成功を手助けすることによってはじめてやっと法則性は作用してくることだろう。
人を動かすのできる偉大なリーダー、セールスパーソンの違いとは…?
偉大なリーダーやセールスパーソンと呼ばれるような人を動かすことのできる人々は、自分と相手の考え方や理由が違うといって、それを受け入れないということや無理矢理に変えようといったことはない。
それは、重力といった物理の法則を無視したり、捻じ曲げて、飛行機が空を飛ぶことができないことと一緒のことだ。
偉大な影響力ある人々は、人類普遍の法則性を理解し、あくまでそれを受け入れた上で、自分自身の接し方や態度を相手のために変更することのできる素晴らしい勇気を持っている。もしあなたがそんな真のリーダーシップやセールスシップを目の当たりすれば、そうしたことにきっと気づくだろう。