従来のリーダーはもう古い?

FROM ボブ・バーグ

「影響力」という言葉はよく聞くが、、これは誤解を多く招きやすい言葉でもある。その理由は2つあるだろう。1つは、様々な定義や解釈が可能であること。もう1つは、多くの人がこの言葉の定義、解釈についてほとんど意識していないことである。

あなたは影響力の本質を理解している?

つまり、影響力とはどのようなものか、その実体をハッキリと掴むことなく直感的に使っているだけの人が多いのである。そして、何となく理解した気になっていても、その理解は実体とかけ離れていることがほとんどだ。そこで、まずはしっかりとした定義づけから始めよう。

一般的な定義として、影響力とは「他に働きかけ、考えや動きを変えさせるような力」とされている。確かに、これは正しい定義ではあるかもしれないが、影響力の本質について考える上では適切とは言えない。

私の考えでは、影響力の本質とは「人を巻き込む能力」のことである。そして、そのような能力を発揮した時には、力ずくで人を動かす時とは全く異なる、ある種の見えない力が働くのである。

アメとムチはすでに昔の話?

ここで言う「力ずく」とは、相手を支配し、コントロールするということにあたる。心理操作をしたり、時には威圧的に相手を脅して従わせたりすることだ。これは、地位や権限によって相手を動かす場合に多く見られる。権限によるリーダーシップ、とでも言おうか。

権限によるリーダーシップを行使した場合でも、相手を従わせることはできる。なぜなら、誰だって上司に気に入られ、昇進したり昇給したりしたいと思っているからだ。あるいは、処分を受けたり、クビになったりしないように、また確実に給料をもらえるように…といった理由からも、彼らは上司の言うことを聞くはずだ。しかし、これはあくまで「言うことを聞かせている」という状態に過ぎない。

言うことを聞かせている状態とは、それは単に渋々従っているだけの関係のことだ。つまり、言われた側は言われたことしかせず、それ以上の行動はしてくれない。

これは、組織の規模にかかわらず言えることでもあるし、たとえ家族が相手だったとしても同じことだろう。それに、言うことを聞かせている状態では、相手が意識しているかどうかは別にして、時に本来の目的を妨害されてしまう可能性もある。では、力ずくで言うことを聞かせるのとは全く違う、人を動かす方法とは何だろうか?

力を用いずに人を動かす方法とは?

それは、「貢献してもらう」ということなのだ。貢献してもらうとは、力ずくで言うことを聞かせるのとは全く違う。相手は、進んで気持ちよく動いてくれる上に、こちらの期待以上のことをやってくれるようにもなるだろう。では、どんな時に相手から貢献してもらえるようになるだろうか?

これには、自分の考えを相手に理解してもらうだけでは不十分だ。貢献してもらえるのは、リーダーの考えが相手に「受け入れられた時」であると言えるだろう。事実、デール・カーネギーは著書の中で「人間は、究極的には自分のために行動するものだ」と言っている。

優れたリーダーがやっていること…

それゆえ、人を動かす立場にあるリーダーは、どうすれば「自分の望み」と「相手の利益」を結び付けられるのかを常に考えておかなければいけない。そうすることで、相手は自発的にリーダーが望む結果に対して貢献してくれるようになるのだ。

決して、相手を操作しよう…などと考えてはいけない。相手の利益を考え、お互いにとってWin-Winの関係となるようにしっかりと考え抜こうと決めた時、はじめてリーダーは相手に「貢献してもらう」ための第一歩を踏み出したことになる。そして、力ずくで言うことを聞かせるのとは全く違う、貢献してもらうことの大きなパワーを感じることができるはずだ。

私にとってのメンターでもあるドンディ・スキュマチもこう言っている。

「相手に自発的に動いてもらえた時、ただ言うことを聞かせているだけでは、決して辿り着けない場所に行くことができるだろう。」

特に優れたリーダーは功績は相手に譲っている…?

偉大な功績を残すような優れたリーダーは、よく何人かのチームによって目的を達成している。その時、特に優れたリーダーは、最も重要なのはチーム全体の功績であって、自分の功績ではないことを理解しているものだ。

優れたリーダーシップとは、リーダー自身のことではない。そして、これは、セールスマンシップにおいても同じなのだ。強い影響力を発揮できるのは、セールス…つまり営業マンの立場が強かったり、権力があったりするからではない。

実はセールスにおいても重要な考え方…

優れたセールスマンシップとは、営業マン自身のことではない。そうではなく、目の前にいるお客様だったり、その方の知り合いだったり、あるいはそのお客様を紹介してくれた紹介元であったり…そのように、あなたが価値を共有したいと思っている人たち全てを巻き込んで発揮されるものである。

ですから、もしあなたが、影響力の強い人物になりたいと思うのなら、「どうすれば目の前の相手や、その周りの人たちに価値を提供できるか?」といったことを、相手の立場になって考えることが最も大切なのである。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。