ディズニーの掃除に学ぶ基準

FROM 安永周平

先日、とあるセミナーに参加していた時、豆知識として面白いことを教えてもらいました。それは、東京ディズニーリゾートにおけるの「清掃の基準」についてです。お客様にとって夢の国であり続けるために、常に新鮮な感動を提供し、スタッフも笑顔と心遣いを忘れない場所…これは行ったことがある人なら誰もが感じることでしょう。

しかし、忘れてはいけないのは、他の遊園地やテーマパークにはない圧倒的な「清潔さ」です。どうやって、あの塵ひとつない状態を保っているのでしょうか?他のテーマパークでも、閉園後はスタッフによる清掃が行われているはずです。それなのに、なぜディズニーの園内は全くゴミが落ちていないと思えるほどにキレイなのでしょうか?

24時間体制の徹底した清掃

その理由は、東京ディズニーランド・ディズニーシー元運営部長である安孫子薫氏の著書『ディズニーの魔法のおそうじ』の中で明らかにされています。これによると、東京ディズニーリゾートの掃除のコンセプトは「世界一安全で清潔な場所」。そして、モットーは「汚れたから清掃するのではなく、汚れる前から清掃」です。

具体的に言うと、通路は15分おき、トイレは45分おきに巡回し、閉園後は「新規開業時点に戻す」ことを目的に作業する…つまり、清掃活動は24時間行われているということです。そして、もちろん閉園後の深夜にも清掃が行われているのですが、そこで求められる基準が圧倒的に高いのです

圧倒的に高いディズニーの基準

一般的に、清掃の目的は「キレイにすること」ですよね。ところが、この”キレイ”の基準というのは、生まれ育った環境や経験によって個人差があります。たとえば、一口に「家の掃除をする」といっても、掃除機をかけるだけで終わる人もいれば、雑巾で水拭きをするのが普通の人もいるでしょう。あるいは、液体洗剤を使ってこびりついた汚れまで拭き取る人もいるかもしれません。

こうした個人の基準に任せていては、その場所を担当するスタッフによって、掃除のレベルがバラついてしまします。それでは、あの塵1つない園内を実現することはできません。そこで、ディズニーが打ち出した清掃の基準は何でしょうか?それは、なんと「そこで赤ちゃんがハイハイできるか」です。そのため、閉園後は園内のすべての路面を、水圧をかけた水で洗い流すのだと言うから驚きです。

スタッフ全員が目指すものは何か?

この驚くほど高い「基準」を打ち出すことによって、スタッフは皆、その基準を目指して仕事をすることになります。ホウキで掃くだけではこの基準に到達することはできません。「キレイにする」という抽象的なコンセプトではなく、「そこで赤ちゃんがハイハイできるか」という具体的にイメージできる状態を提示することで、掃除の仕方が変わるのです。

このように、基準を高く持つことで、清掃の方法・やり方は全く違うものになります。そして、これは清掃に限らず、僕らの仕事においても同じことが言えるのではないでしょうか?仕事の基準をどこにおくかで、日々どんな行動をするべきかは違ってくるのです。

たとえば、「成果を上げる」ということを考えても、人によってその基準は違うでしょう。同じ商品・サービスを扱っていても、月間の売上目標を100万円にする人と、1000万円にする人とでは、取り組む行動も全く違うでしょう。自分では「ちゃんとやっている」と思っていても、上司からすれば「全く足りない」と言われるのは、仕事(成果)に対する「基準」が違うのが大きな原因ではないでしょうか。

「基準の高さ」が未来を変える

そして、この仕事に対する「基準の高さ」は、1年後にあなたが辿り着く場所を大きく変えてしまいます。基準の低い人は、今の仕事の延長線上にしか目標を設定しないでしょう。ですから、大きな変化は生まれません。一方で、基準を高く持っている人は、新たな仕事にも積極的にチャレンジすると思いませんか?今月の売上が100万円なら、どうすれば来年の12月に1000万円を達成できるかを考え、アイデアを出すはずです。

また、そうした目標を達成するためには、日々の小さな積み重ねが重要だということも分かっているもの。目先の利益を追うのではなく、目標に向かって、今日は昨日よりもいい仕事をしようと努力する。毎日1%でも改善しようと努力できるかどうか…これを意識して実行している人と、そうでない人との差は、1年後には埋められないほど大きくなっているはずです。

日々1%よくする努力というのは侮れません。たとえとしてあまり適切ではないかもしれませんが、飛行機が東京を出発してロンドンへ向かう航路が、もし角度にして1度ズレていたならば、辿り着くのはロンドンではなくパリになってしまいます。たった1度の差は、結果として直線距離にして340kmもの差になってしまうのです。同じように、小さな違いは、時間が立てば立つほど、驚くほど大きな差となって現れます。

結果として、多くを与えられる…

また、僕らの仕事の基準を高く設定するということは、結果として、目の前の相手に多くを「与える」ことになるのではないでしょうか。ボブが提唱する、GIVERとして成功するための5つの法則の中で、第2の法則に『収入の法則』があります。それによれば、あなたの収入は、あなたがどれだけ多くの人に、どれだけ奉仕するかによって決まります

仕事の基準を上げて、相手にどれだけ奉仕するか、どれだけ与えられるか…ディズニーの驚異的な掃除の基準は、僕らの仕事に対して、改めて考え直すキッカケをくれるものではないでしょうか。目の前の相手に対して、仕事の質を高める方法、より多くを与える方法について、まだまだ見直すべきところがあるのかもしれませんね。

PS
事業における「成功」というのは、意外とシンプルなことが原因となっているのかもしれませんね。ボブ・バーグによる『成功の再定義』は、あなたに新たなアイデアをもたらしてくれるかもしれませんよ。

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。