FROM ボブ・バーグ
顧客になってくれそうな、あるいは見込み客を紹介してくれそうな人と出会ったら、自分の話をするのではなく、「相手」や「相手の仕事」のことを聴くことに徹しよう。なぜなら、つまるところ、人は「自分のこと」に1番興味を持っているからだ。
ここで、私が「フィール・グッド・クエスチョン」と呼ぶ質問の出番だ。これは、多くの営業マンにありがちな、相手にとって「余計なお世話」と感じるアドバイスだったり、相手を「金づる」と思っているように感じさせる言葉ではない。
とにかく相手に気分よくなってもらったり、会話を楽しんでもらったり、あなたのことを気に入ってもらったりするための質問のことになる。たとえば、こんな風に相手に聞いてみるといい。それは、、
「トム、あなたはどうやって今の仕事に就いたんですか?」
人は誰でも、ラジオやTV番組で『今週の注目』に取り上げられるのが大好きだ。そして、この質問によって相手は、自分のことを気持ちよく話してくれるだろう。ほとんどの人は、自分の話をするのに必死で、相手にこんな質問をしないことが多い。
これ以外にもフィール・グッド・クエスチョンには「その仕事の1番のやりがいは何ですか?」とか、「あなたの会社と、競合との1番の違いは何ですか?」などがある。
多くの営業マンは、相手に悩みや問題について聞こうとする。しかし、こと初対面においては、「いい気分」と「あなた自身」を結びつけてもらう必要があるのだから、ネガティブな質問をするのは賢明ではないのだ。
フィール・グッド・クエスチョンは、契約をしてもらったり、顧客を紹介してもらったりするのが目的ではない。あくまで、相手といい関係を築くための最初のステップであり、相手に「知ってもらい、気に入ってもらい、信頼してもらう」第一歩として使うものだ。
一瞬で相手にとって「特別な存在」になる質問
先ほどのように、いくつかの「フィール・グッド・クエスチョン」をして相手の気分がよくなったら、それは、私が「キー・クエスチョン」と呼ぶ質問をする準備が整ったことになる。そして、この質問によってあなたは、相手の中で「他の人とは違う特別な人間」だと思わせることができるようになる。なぜなら、そんな質問をするのは、おそらくあなたが初めてだからだ。
これはもちろん、あなたの長期的な目的を達成するための助けになる。場合によっては、すぐにでも目的を達成することができることもあるかもしれない。その鍵となる「キー・クエスチョン」とは、こんな質問になる。それは…
「メアリー、あなたの仕事はどんな人が見込み客になるんですか?紹介できる人がいるかもしれないので、よろしければ特徴を教えてください。」
さて、こんな質問を自分がされたらどうだろうか?何を考え、どのように感じるだろうか?
自分の利益から相手の利益を焦点を絞ることによって…
この質問は、相手の気分を害するどころか、むしろ感謝される質問になることはお分かり頂けるだろう。多くの人は、こんな質問をされたことがない。また、あなたが見込み客を紹介してくれる可能性があるとわかれば、相手は喜んであなたと親しくしようとしてくるはずだ。そしてぜひ、実際に彼らに見込み客を紹介してあげよう。
一方で、相手が営業職でなければ、この質問を状況に合わせて応用してみよう。例えば…
「メアリー、先ほどあなたの息子さんが、夏のアルバイトを探していると言っていましたが…どんな人を紹介すればお役に立てますか?紹介できる人がいるかもしれないので、よろしければ特徴を教えてください。」
といった具合だろう。
このような質問をすれば、、たとえあなたが上手く見込み客を紹介できなかったとしても、相手はあなたのことを高く評価してくれるようになる。そして、あなたがしようとしていることを喜んで手助けしてくれるようになるのだ。場合によっては、あなたと一緒に仕事をするようになるかもしれないし、あなたに見込み客や仕事を紹介してくれるかもしれないからだ。
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商品そのものや値段など、購入を決める要素に大きな差がない場合、買ってもらえる(あるいは買いそうな人を紹介してもらえる)のは、相手の心を掴んだ人間なのです。しかし、、、
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相手の利益を考えない時に起きる弊害とは…