FROM 安永周平
先日の東京出張の時のことです。仕事を終えてホテルに戻り、ちょっと一息ついてから、近場に夕飯を食いに行こうと思ってフラフラと歩いていたのですが、その時ふと目に留まった看板がありました。何やらトレーニングジムの看板らしいのですが、そこに書いてあったコピーがちょっと秀逸だったんですよね。何かというと…
「飛躍なんて誓うな!一歩ずつだろ(笑)」
思わず「おぉw」と唸ってしまったのです。コレはいいなと。というのも、飛躍って基本的にはポジティブなニュアンスで使われますよね。たとえば、新年の抱負で「今年は飛躍の年にします」なんて言ったり。ですから、このようにネガティブな使い方をされていると、意外性があって注意を引くわけで。続けて、一歩ずつだろ…と(笑)。
それで、ちょっと立ち止まって考えてみたんですけど…個人的には「その通りやなぁ〜」と思うわけですよ。なぜなら、飛躍を誓う人って「急成長してやろう…」みたいな意気込みが感じられる一方で、目先の結果ばかり追っている傾向があるようにも思うからです。ビジネスで言えば「すぐに儲けたい」みたいな。
一気に上手くいくことなんてない
もちろん気持ちは分かります。人間というのは、早く結果が欲しいものですから。僕だって、事業をやっているからには、できればすぐに儲けたい(笑)。でも、それはムリですよ。大事なのは、少しずつステップを踏んで、小さな失敗を繰り返しながらも一歩ずつ前に進んでいくことです。
ビジネスでも、ダイエットでも、ゴルフなんかでもそうでしょう。一晩で成功したい、一気に引き締まった体になりたい、すぐにでも上手くなりたい…これらは一見、意欲的だと思うかもしれませんが、実は危険な考え方です。むしろ、なかなか前に進まない人ほど、こうしたことを考えているもの。
角度にして、たった1度でもいい
以前、島田紳助氏がこんなことを言っていました。「少しずつ、ほんの少しずつ、ずーっと頑張る。それが人生、勝つ方法です。その頑張りは、角度にしたらたったの1度です。でも、たった1度の先は、大きく離れています。たった1度なら、誰でも努力できるはずです」と。これは本当にそう思います。
角度にしてたった1度の努力…それを続けることによって、1年後に振り返った時には、スタートした時から遥か遠くまで来ていることに気付くでしょう。その時に初めて、僕らはそれを「飛躍」と呼べるのではないでしょうか。つまり、飛躍とは結果であって、目指すものではないのではないかと。そして、僕らがやるべきは一歩ずつ前に進むことではないかと、先の看板を見て思ったのです。
成果はコントロールできない。しかし…
また、ダイエットなんかは分かりやすいですが「1ヶ月で一気に10kg痩せる」といった成果目標を立てたとしましょう。しかし、普通に考えて一気に10kgも痩せるのは難しいですし、無理なダイエットは健康を害してしまう可能性もあります。また、一気に痩せようと意気込んで始める人ほど、結果が出ないと4〜5日目には忘れてしまったり、目標をなかったことにしたりしてしまいます。
一方で、「毎日30回だけ腹筋しよう」といった行動目標を立てたとしたら…それくらいならできるはずです(角度にして1度もないでしょうw)。もちろん、結果はすぐには出ないかもしれませんが、毎日30回の腹筋という行動を1ヶ月続けることには大きな価値がありますよね。少なくとも「1ヶ月で10kg減」を掲げて4〜5日で止めてしまう人より、何かしらの成長を感じられるはず。ましてや1年後は…です。
「行動目標」を達成すれば成果は上がる
同じようなことがビジネスでも言えます。僕らは「売上◯◯万円」といった成果は、直接コントロールすることができません。なぜなら、売上が立つかどうか、買うか買わないかを決めるのは僕らではなくお客さんだからです。しかし、「◯名のお客さんに礼状を送る」といった行動ならば、自分次第でコントロールできるはずです。
そして、成果を上げるために必要な行動が何かを考え、それを一歩ずつでも地道に続けられるなら…小さな失敗を繰り返しながらも、きっと成果に結びつくようになるでしょう。そして、続けていれば「自分がどの行動をどれだけすれば、これくらいの売上が立つ…」といった予測ができるようになりますし、その予測精度は徐々に上がっていきます(デキるビジネスパーソンですね♪)。
成果につながる行動を一歩ずつ
2018年も1ヶ月が過ぎました。繰り返しますが、一気に上手くいくことなんてありません。他人が一気に上手くいくように見えるのは、僕らの知らないところその人が地道な行動を続けているからです。ですから、成果を上げるために、今、自分はどのような行動をするべきか…それを考えた上で、一歩ずつ長く続けることが大切ではないでしょうか。
PS
注意:紹介でお客さんを獲得したいあなたへ…
紹介は必要な「行動」をしなければもらえません。
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