「ノー」との上手な付き合い方

FROM ボブ・バーグ

人によって感じ方は異なるというのはごく一般的ことだ。しかし、誰しもが似たような気持ちになる場面というのも、世の中にいくつかはある。そのうちの1つが「『ノー』と言われたときの嫌な気持ちではないだろうか。

『ノー』との付き合い方‥

私たちは誰でも、否定されたり拒絶されたりしたくて、人に何かを頼んだり物を売ったりしているわけではない。例えば、あなたが新興企業のオーナーで資金を必要としているのならば、資金を提供してくれそうな人と会食をしているとき。あるいは、あなたがセールスマンで、見込み客に商品やサービスを提案しているときがそうだ。

そういった場合には、あなたの目的は相手から「イエス」を引き出すことのはず。しかし、相手から「ノー」と言われると、何となく拒絶されたような気持ちになるし、それは愉快な気持ちとは言えない。

このような時に「ノー」と言われたとしても、それを個人的なものとして受け止めてはいけない、と私たちは言われている。それはあくまであなた個人に対する拒絶ではなく、あなたが提供しようとしている商品やサービスに対する「結構です」という気持ちなのだ。

「ノー」とは、成功の大きな一部分?

なるほど確かに、これは正しい。しかしそれでも、「ノー」と言われれば心にズキンと来るものがある。「ノー」と言われて嬉しい人などまずいないし、結果としてもこれは望ましいものではない。しかし、「ノー」と言われることを避けて生きていくことは不可能である。また、「ノー」とは、成功の大きな一部分でもあり、「イエス」を獲得するための過程の一部でもある。

ここから先は私の個人的な考えだが、非常にポテンシャルの高い起業家やビジネスマンでも気持ちがくじけて、ついにビジネスの世界から去ってしまうことがあるが、この大きな要因は「ノー」という言葉ではない。むしろ「自分だけが『ノー』と言われている」と考えてしまう、その捉え方のほうに原因がある。

彼らには、自分の周りに成功した人しか見当たらず、まるでそうした人たちが成功するまでに一度も「ノー」と言われたことがないかのように見えてしまっている。

「ノー」もらった時は「イエス」を勝ち取るための途中経過‥

しかしもちろん、それは事実と大きくかけ離れている。もしあなたが成功したいと思うのなら、「ノー」という言葉は”聞かなくてはいけない”言葉なのだ。何度も「ノー」という言葉を耳にして、そうした幾重にも重なる「ノー」から「イエス」につながる道筋や方法論を見出していく必要がある。

もしかすると、間違った相手に間違ったタイミングで話をしてしまったから言われた「ノー」であるということもあるだろう。あなたが自信をもって相手にすすめられる商品やサービスがあり、それをどのように紹介するべきかもわかっているなら、いくら「ノー」と言われたとしてもそれは最終的に「イエス」を勝ち取るための途中経過にすぎない。

すべての「ノー」は、あなたの成功につながる要素なのだ。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。