三河屋さんに学ぶスゴい営業

FROM 安永周平

日曜日の夕方、テレビで「サザエさん」のエンディングを聞くと休日の終わりを感じて憂鬱になる。そんな症状を「サザエさん症候群」なんて呼びますが…この言葉、Wikipediaにも載ってるんですね(笑)

そんなサザエさんですが、今年の3月には、長年スポンサーを務めていた東芝が降板することになり、新たなスポンサーは「Amazon(ジャパン)」「西松屋チェーン」「大和ハウス工業」の3社に決定したそうです。止まらないAmazonの勢いに、何だか時代の変化を感じますが…一方でサザエさんの中には、変わらずに成果を上げ続けている男の存在があります。

そう、「三河屋さん」です。

勝手口から「こんにちは〜三河屋で〜す」と突然現れたかと思うと、あざやかな手口で醤油や味醂などの注文をとっていき、後で配達をしてくれます。たとえば…

「先月、お酒注文なかったから今回持ってきましょうか?」
「銘柄は○○でいいですか?」
「このところ、醤油ご依頼されていませんけど大丈夫ですか?」
「今度こんな商品が出たんですよー」

といった具合です。まるで、サザエさんが何を欲しがっているのか知り尽くしているかのような話しぶりです。で、そんなことを色々言われたサザエさんは、当然のように「じゃ、それも頼んでおきますね」という感じで喜んで注文してしまいます。

既存客への素晴らしいフォロー

これ、普通に流してしまいそうになりますけど、素晴らしいセールスですよね。既存の顧客を大事にしており、相手が何を必要としているかを理解した上で提案している。そして決して無理には勧めません。ボブが「セールスとは相手と一緒に買うことだ」と言っていますが、まさにそれを体現しているかのようです。

そして、もちろん1度限りの話ではありません。信頼関係ができており、これから先もずっと付き合いがありますから、こうした機会はいつでもあるわけです。同時に、ちょっとした世間話をしてコミュニケーションも取っています。

相手を知った上で「オススメ」する

ちなみに、ちょっと話は逸れますが、先のサザエさんのスポンサーになったAmazonのサイトで「あなたにおススメ」とか「この商品を買った人はこちらの商品も買っています」みたいな表示がありますよね。いわゆるレコメンドシステムというやつです。

ついつい自分が興味あるものが出てくるので、僕も見てしまうのですが…Amazonのサイトの売上の3割が、あのレコメンドシステムから生まれていると言われています。こうした事実は、三河屋さんのセールスが効果的である1つの証拠にもなりそうですね。

「信頼関係の強さ」を決めるものは何か?

もちろん、こうしたやりとりには信頼関係が必要ですが…ではその信頼は何によって決まるのでしょうか。既にあなたはご存知かもしれませんが、人から信頼されるかどうかは「コミュニケーションの総量」で決まります。三河屋さんが「何か足りないものはありませんか?」と毎日顔を出すのは、顧客とのやりとりを増やすためです。毎日顔を出すから信頼され、注文が取れるのです。

人は接触する回数が増えるほど、その相手への好意も信頼も高まります。これは「接触理論」と呼ばれるもので、テキサス・クリスチャン大学のドナ・デスフォーゲス氏の研究で「嫌いな人でもやりとりをした後には、偏見や差別の心が減る」ことが確認されています。

様々な人種が集まる米国では、残念ながら自分と異なる文化に対する偏見や差別があります。そこで、無理矢理にでも接触回数を増やすと好感を持たれるが、接触が少なく、「何を考えているかわからない」と思われると嫌悪感を持たれるといいます。

人間味あるコミュニケーションを増やそう

ですから、あなたが周りの人から信頼されるためには、自分から積極的に話しかけ、コミュニケーションの総量を増やすことです。取引先から信頼されたければ、頻繁にメールを送ったり、顔を出すようにすることです。上司や同僚、部下なら、相談を持ちかけたり、雑談をしたりすることです。

話しかけるのが苦手なら、挨拶するだけでも効果的です。それも相手から挨拶されるのを待つのではなく、こちらから挨拶をすること。たとえ返事が戻ってこなくても、気にせず、続けることが大切でしょう。なんとなく信頼できる印象を与える人と、そうでない人との違い…それはこんなシンプルなコミュニケーションだったりするんですよね。

接近戦は今も昔も有効である

繰り返しますが、先の三河屋さんのように、このようにお客さんのことをしっかりと考えた上でコミュニケーションの機会を多く持つことは、本当に大切なことだと思います。特にテクノロジーの進化が目覚ましい現在の社会において、このように対面で会って人間味のある対応をされるのは嬉しいもの。

また、有名なランチェスター戦略から考えても、強者である大企業はこうした接近戦の営業はしませんから、弱者の戦略として非常に有効だと言えるでしょう。そして、根底には「既存客を大切に」という商人の魂が入っているわけです。「ルートセールス」と言ってしまえばそれまでですが、人とのつながりを考えても、こうしたヒューマンタッチなやり方は今の時代に必要なのかもしれません。

PS
テクノロジーの進化が目覚ましい現在ですが…ボブは、その進化が進めば進むほど、人間味あふれる仕事が求められるようになると言います。

実は、そのために「具体的に何をすればいいか?」についてまとめたビデオを用意しているのですが…明日、メールでご案内させて頂く予定ですので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。