売れない営業のカバンの中身

FROM 安永周平

前職の頃、とある事業でお客様にDM(ダイレクトメール)を送った時にクレームをいただいたことがあります。それは、いわゆる「DMなんか送るな!」という売り込みに対するクレームではなく、ちょっと別の理由によるものでした。何かというと…

「こんな封筒で送らないでほしい」

そのお客様は、封筒に印字されているブランド名(商品名)に対して不満を言ってきたのです。主婦の方だったのですが、こんな封筒で送ってきたら家族にバレてしまう…と。どうやらそのお客様は、家族には内緒でサービスを利用していたので、内容がわかる(推測できる)ような封筒で送らないでほしいとのことでした。

確かに、ものによっては「誰にも知られずに使いたい」という商品・サービスはあります。たとえば、離婚などのデリケートな話とか、整形などの美容にまつわるサービスなんかは内緒でこっそり進めたいという人も多いでしょう。また、電車の中でよく見かけますが、本にカバーをかけたまま読んでいる人は、内容を知られたくないからという人も一定数いると思います。

また営業コンサルタントの菊原智明さんは、著書『超一流の営業マンが続けている50の習慣』の中でこんな話をしています。以前、営業マンに会うと、よく「カバンの中に入れているものを教えてください」と聞いていたそうです。それは、売れている人とそうでない人の持ち物の違いを知りたいと思っていたからだと。

超一流の営業が使い分ける2種類の封筒

そしてある時、ダントツで結果を出している営業マンに同じ質問をしたそうです。すると、その営業マンは当然のような顔をして「無地の封筒」を入れていると教えてくれました。その理由を聞くと「お客様によっては会社名が入っていない方が親切な場合もあるから」だと言うのです。

社名をアピールしてもいいお客様に対しては「会社名や連絡先が入った封筒」を使います。しかし、先のお客様のように、そういう封筒(内容がわかるもの)を使わないほうがいいお客様もいるのです。たとえば、近所の人に家の建替えを知られたくないというお客様に対して「◯◯ホーム」というロゴが入った封筒を使ったらどうでしょうか?

「この営業マンは気が利かない」とがっかりされるだけでなく、「こっそり進めていたのに!」と先の事例のようにクレームになることだってあります。そういった時のために無地の封筒を持っている…超一流の営業マンは、こういった細かい配慮が行き届いているということでしょう。

無地の封筒を用意することなら、今日からすぐに真似できます。そんな小さなことの積み重ねが、ダントツの結果を叩き出す営業マンにつながるのではないでしょうか。あるいは、これは封筒に限った話ではないのかもしれません。他にも2種類を使い分けたほうがいいものがないか、この機会に考えてみるのもいいかもしれませんね。

売れない営業のカバンの中身

また菊原さんによれば、他にも結果を出している人とそうでない人との間には、カバンの中身に大きな違いがあったと言います。事実、結果を出していない人のカバンの中身には特徴がありました。

それは何かというと「自分本位のもの」が多いということです。なかにはマンガやゲーム機、食べ物などが入っている営業マンもいました。そこまでヒドくなかったとしても、整理されていない書類がたくさん詰まっている営業マンは少なくありませんでした。

「神は細部に宿る」という言葉がありますが、穿った見方をすれば、こうした人は商談においても自分の利益ばかりを考えるようなセールスをしてしまう可能性があります。実際にお客様にカバンの中を見せることはないでしょうけど、チラッと見えたりしたら印象はよくありません。

カバンの中に現れる「与える」精神

一方で、結果を出している人は、カバンの中が整理されています。仕事に関係ないものは入れていないのです。「お客様の説明に使う資料やサンプル」はもちろんのこと、お客様に会った時に不快感を与えないようにと、あぶら取り紙や消臭グッズなどが入っていたりします。

つまり、お客様に価値を与えるため、もしくは不快な思いをさせないためのモノが入っているということです。それから、先の封筒に関連して、その場で礼状が書けるようにハガキも持ち歩いていました。超一流の営業マンは「お客様のためになるものだけ」をカバンに入れているのです。

「思いやり」という習慣を持つ

ちなみに、礼状のパワーはすでにあなたもご存知でしょう(まだやっていなければ、すぐに始めた方がいいと思います)。とてもシンプルですが、ちょっと時間を取って礼状を書くだけでライバルと大きな差をつけることができる習慣ではないでしょうか。

メールやSNSなどデジタルが主流の時代だからこそ、礼状という人間味のあるものは喜ばれます。この傾向は、今後テクノロジーが進化するにつれて増々強くなるでしょう。相手のことを思いやること…超一流の営業マンというのは、そうした「GIVE」の気持ちが具現化された結果なのかもしれませんね。

PS
ちなみに、礼状に書かない方がいい…というより「書いてはいけないこと」というのがあります。もし、それをあなたがご存じないのなら、ぜひコチラのビデオを確認してみてください。

ビデオ『飛び込み営業を止めた男の逆転劇』

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。