12,000円の美容院に高校生殺到

FROM 安永周平

突然ですが、あなたは髪を切る時、美容院や床屋でいくら払うでしょうか?厚生労働省の調べでは、全国の美容院のカット料金の平均は3,387円だそうです。ちなみに安永は、いつも6,000円で馴染みのオーナーさんにお願いしております(おぉ平均の2倍くらい)。まぁ1,000円カットの美容室なんかも結構ありますし、男性の場合はだいたい5,000円前後が多いんじゃないでしょうか(女性は美容にもっとお金かけますけどね^^;)。

そんな中、先日とあるニュースサイトを見ていたら、ふと目に飛び込んできた価格に驚いたことがあります。何かというと、ある東京の美容院はカット料金12,000円にもかかわらず、全国から客が殺到しているとのこと。で、これだけなら「ちょっと高いな…」で終わるのですが、驚くべきことに顧客の多くは、あまりお金を持っていない高校生、大学生、社会人1-2年目の男性なんだとか。これ、セールスに携わる僕らにとっては、とても興味深い話だと思いませんか?

高校生、大学生が美容院に12,000円も払う理由

事実、この美容院(OCEAN TOKYO)では代表2人のカット料金を7,000円から12,000円まで引き上げました。しかし、値上げ後も予約は常に数ヵ月待ちの状況が続いているそうです。それから代表だけではなく平均年齢23.8歳のメンバーたちも、他サロンの美容師の3-4倍の売上を叩き出しているとのこと(スゴい!)。いったいなぜ、お金がないはずの高校生、大学生がこんなに高い美容院に殺到するのでしょうか?

この店の代表を務める中村トメ吉さん曰く、その答えはシンプルです。それは、彼らは「髪型」ではなく、スタッフの「経験と生き様」を売っているからだと言います。具体的には、お客さんが美容室で過ごす時間、徹底して彼らの夢や悩みに向き合い、会話を通してお客さんの背中を押す…と。10代や20代前半の男性…つまりは”今どきの若者”であるお客様は「この美容院に行くと勇気づけられる、前向きになれる」と認識しているわけです。

今どきの若者は何を望んでいるのか?

この話を聞いて「たったそれだけ?」と思った方もいるのではないでしょうか?(実際、僕もちょっと思いました^^;)。ただ、そのように思う人は、今どきの若者が育ってきた時代背景を理解できていないとのこと。というのも、SNS世代と言われる今の若者は、生まれた時からモノや情報が溢れた時代を生きていて、それらはお金を払ってまで手に入れたい対象ではありません。髪型も同じです。では、そんな彼らはどんな時に価値を感じるのでしょうか?

答えは「自分の心が動かされた瞬間」です。「部活や恋愛の悩みを相談することができた」「誰にも言えなかった将来の夢について語ったら、心から応援してもらえた」「入社したばかりの会社で感じた違和感について、一緒に真剣に考えてくれた」など、美容室でサービスとして当然提供される髪型ではなく、こうした心が動く体験価値を徹底して提供し続けた結果、12,000円の価格設定でも多くの若者が殺到するようになったのだとか。

「髪型」という商品ではなく、信頼できるスタッフに話を聴いてもらいたいから美容院に行く…つまり、若者たちはスタッフと話し、背中を押してもらうことに対してお金を払っているわけです。カットの技術があるのは前提として、その上にこうした体験価値を提供することで、他の美容院や理容室と圧倒的な差別化ができてるというわけですね。

あなたの顧客は、本当は何を望んでいるのか?

カッコいい髪型を手に入れたいのではなく、大人から背中を押してもらいたい…同じようなことを、私たちもまた顧客に対して考えなければならないと思いませんか?あなたのお客さんは、あなたの商品そのものが欲しくてお金を払っているのでしょうか?スーパーやコンビニで日用品を買う時はそうかもしれませんが、きっとそれだけではないでしょう。

あなたが扱う商品が、他のどこでも手に入らないような機能・品質を持っている場合だとか、他よりもゼロが1つ少ないくらい価格が安いとか…そうしたケースを除いては「あなたのことを知っていて、気に入っていて、信頼しているから」お金を払ってくれているはずです。だとすると、相手がそのように思ってくれる何かが、あなたにはあるということです。その魅力に気づけば、それをもっと磨けば、あなたはお客様に対してもっと大きな価値を提供することができるようになるはずです。

GIVERになるための『価値の法則』

ボブが提唱する、GIVERとして成功するための5つの法則のうち、1つ目は『価値の法則』です。それによれば「あなたの本当の価値は、どれだけ多く、受け取る以上のものを与えるかによって決まる」のです。先の美容院の話のように、受け取る以上のものを与える方法は、もっと経費・コストをかけなければできないものだとは限りません。むしろ、1円も使うことなくできる「勇気づけ」や「承認」といった心理的な価値もあるのではないでしょうか。

あなたがそういった価値を提供すればするほどに、お客さんは自分の大切な友人・知り合いに対して「あなたのことをぜひとも紹介したい」と思ってもらえるようになるもの。今一度、僕らは「お客さんが本当に求めているものは何か?」「それを自分が提供できる方法はないか?」というのを考えてみる必要があるのではないかと思うのですが…いかがでしょうか?

PS
既にお客さんと仲良くなっているのなら、「紹介の頼み方」を知るだけで新規のお客さんに困らなくなるかもしれませんよ。

あなたは紹介を頼む時にこんな間違いをしていませんか?

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。