何が魅力をもたらすのか?

FROM ボブ・バーグ

なぜ、ある人は魅力的に感じるのに、ある人はそうでないのだろうか。

その違いの1つは”その人のふるまい”によるものではないだろうか。先日のことだ。私はこうしたことを考えさせられる出来事があった。それは、私がフィラデルフィアのマリオットホテルに泊まっていた時のこと…

ホテルの清掃員のとっさの行動…

恥ずかしながら、私はシャツのアイロンがけがあまり得意ではない。なので、もしホテルの追加のサービスにそのようなものがあればお金を支払ってでも利用したいほどだ。

たまたま通りがかりの清掃担当の女性がいたので、「突然すみません、ホテルのオプションでシャツにアイロンかけていただくといったサービスなどはありませんか。5ドルほどで利用できればと考えているのですが」と尋ねた。

すると、その彼女が「私がいたしましょう」とその役をかって出てくれた。しばらくすると、丁寧にアイロンがけしてくれた私のシャツを持ってきてくれた。私はその仕事ぶりに感激し、5ドルを支払おうとした。ところが、彼女は「こちらはマリオットホテルからのサービスなのでお代は結構ですよ」と丁寧に断った。この咄嗟の彼女の対応に私はとても驚いた。

なぜ女性はそのような対応ができたのか?

冷静に考えてみれば、ホテルのオプションとしてシャツのアイロンがけといったものは定まったものではなかったかもしれない。だとすれば、なおのこと、彼女は仕事の報酬として受け取る権利もあったしチップとして個人的に受け取る事も出来たことだろう。しかし、こうした機転を利いた対応は偶然ではないかもしれないだろう。

個人的な見立てではあるが、彼女の行動の動機はお金ではなく、このホテルで働けること、あるいは与えられた仕事の機会を喜び、誇りに感じていたことではないかと思う。そのような動機だからこそ、情熱があり、質の高い仕事が出来たのではないだろうか。だからこそ、宿泊のゲストに対して自分なりに出来る最大限のもてなしをしようとしてくれていたのではないかと思う。

もちろん、彼女の清掃としての仕事も申し分ない。さらに、私は彼女のこうしたふるまいにとても心打たれた。

飛行機で騒ぐ男性…

それから、しばらくしてフィラデルフィアを発つ飛行機での出来事だった。私の席の後ろの性男が何やら騒いでいた。周囲の客が聞き取れるような声で「俺は窓際の席が嫌いって言ってのに、あいつはどうしてこの席を取ったんだ」と不満をあらわにしていた。彼の様子や話からどうやら彼の秘書にあたる人物が間違えて席を手配したようだった。

ちなみに彼はファースト・クラスに座っていた。確かに最近の飛行機のファーストクラスは、かつてほど十分な特典があるとは言えなくなってしまったが、エコノミークラスよりも足を伸ばせるほどの広々としたスペースがある。さらに、そもそも飛行機はバスや徒歩のようなで長時間移動するような不便さもなく、体への負担も少ない。大袈裟かもしれないがハリケーンや砂漠のような過酷な環境でもない。飛行機自体長距離の移動を快適にくつろぐことができる乗り物だ。

その後、着陸しても彼の怒りは収まらなかったようだった。降りるないなや、秘書に電話かけ、先ほどのミスを叱責し、二度とこんなマネをするな!と声を荒げていた。しばらくして、荷物が流れてくる場所でも彼を見かけたがそこでもまた違うことに対して不平不満を漏らしていた。もちろんだが、そこに居合わせた誰もがいい気分や幸せな気持ちに浸ることはなかった。たしかにその人なりの複雑な事情もあるだろう。しかしながら、私個人はひどく不快な気持ちになったし、活力を吸い取られるような気分であった。

何が違いをもたらしたのか?

さて、一方はホテルの清掃員、一方はファーストクラスに乗るようなビジネスパーソン…彼らのふるまいの違いは何によるものだろう。これはまさしく、”与えられていることにいかに感謝できるか”ということではないだろうか。私たちは、自分自身の内側でどのようなことを考えているか、どういう心持ちでいるかといったことによってどういう所作やふるまいが決ってしまったり、ちょっとした人とのコミュニケーションの表面にも現れてくるものだ。

繰り返しになるが、私が飛行機に居合わせた男性もそれなりの事情があったのかもしれない。あるいは、そもそもそのような性格なのかもしれない。しかし、残念ながらその彼のふるまいからは支えてくれている秘書や与えられている状況への感謝の念は見受けられなかった。一方で、ホテルの清掃員として働いていた彼女は与えられた機会に感謝できる気持ちがあったからこそ、自然にあのようなふるまいにあらわれているのではないだろうか。

注意して欲しいのは、清掃員だからそもそもがいい人、ファーストクラスに乗るようなビジネスパーソンだからそもそもが悪い人といったことではないということだ。どちらの立場であっても感謝できる人はいるし、できない人もいる。ただ、個人的な意見としては与えられたものに対して大小問わず「感謝」できることこそが私たちの幸せに深く関わっている

さて、あなたのふるまいには感謝の気持ちがあるだろうか?

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。