バイトテロが起こる理由は?

FROM 安永周平

既にあなたもご存知かと思いますが、最近テレビを賑わしているニュースの1つに、くら寿司やセブン・イレブンでアルバイト店員が”不適切動画”をSNSにアップして大炎上しているというものがあります。たとえば、くら寿司のケースだと厨房と思われる場所でバイト店員の男が、まな板の上で包丁でさばいた魚の切り身を「これは捨てます」と言いながらゴミ箱に投げ入れます。ところが、その直後にゴミ箱から拾い上げ、再びまな板に乗せると。

以前、すき家でも同じようなニュースがありましたが、もうこの手のニュースを見るとイヤになります。なんでそんなことをするのか…と理解に苦しみます。やったらどうなるか想像できないのかと。店長はもちろん、経営者からすればブランドが地に落ちる事件です。動画には「くびかくご」なんて書いてあったようですが、クビどころじゃありません。店や運営会社は損害賠償も辞さないでしょう。

米国スタバで起こった店員の不祥事

正直、なぜ彼らがそんなことをするのか分かりません。ただ、昨日たまたまTEDを見ていたら、少し参考になりそうな話がありました。これは、チャールズ・デュヒッグというニューヨーク・タイムズの記者が、米国のスタバで起きた店員の振舞いについて言及したものです。何かと言うと、19歳のスタバ店員の少年が、お客さんに渡すドリンクのカップに「bitch (尻軽女)」と書いて大問題になったことがあるらしいんですね。

これまた、膨大な広告費を投じるスターバックスとしてはたまったものではありません。そこで、この件を調査したところ、この少年は普段はちゃんと仕事をしているいい従業員なのですが、この事件が起きた前の晩にお母さんとケンカをしたそうです。それで、事件を起こしたのは8時間のシフトの7時間を終えたところだったそうです。そして、実はこの時間にヒントがありました。

7時間仕事をすると質が落ちる?

その後もこのような事件があまりに続くので、スタバは社内で本格的な調査に乗り出しました。その結果、わかったのは「従業員の10〜15%は、6.5〜7時間労働をした後、仕事の質が落ちる」ということでした。そして、この問題をどうやって解決するかを考えました。8時間のシフトの間、どうやって仕事の質を保つ意志力を与えるか…と。

意志力と言えば、有名なのは「マシュマロテスト」です。1960年代にスタンフォード大学の研究者が、娘を含む4歳の子供たちに1つずつマシュマロを与えて「私は10分後に部屋に戻ってくるけど、戻ってきた時にマシュマロを食べずに我慢できたら、もう1つあげるよ」と言ってマシュマロを1つ渡すのです。その時、我慢できたのは1人だけでした。それから研究を進める中で、彼は4歳児の10〜15%はマシュマロの誘惑に耐えられることを発見しました。

誘惑に勝った4歳児のその後…

彼は当時、この実験結果を発表しましたが全く注目されませんでした。ところが、数年後に4歳の娘が小学5年生になった頃、彼はある傾向に気づきました。それは、マシュマロの誘惑に耐えられた子は、学校での成績がいいということです。ですから、彼は追跡調査を行い、中学、高校、大学での様子まで調べました。その結果、何がわかったのでしょうか?

既にお察しかもしれませんが、マシュマロの誘惑に耐えられた子は、他の子供たちに比べて、多くの成功を収めていたのです。宿題もちゃんとやるし、出席率もよく、高校では同級生の中で人気者でした。別にルックスがいいとか、家が金持ちだから…とかではありません。友達と上手く付き合えるのです。その後もいい大学に入り、高収入の仕事に就き、早々に結婚し、結婚生活も長く続いています。

意志の力で人生は決まるのか?

事実、意志力に関する研究はたくさんあります。そして、その多くが、意志の力が将来の成功を握るたった一つの鍵であるという結論を出しています。IQの高さや家庭の裕福さよりも、意志の力は大切だと言われています。だからこそ、スタバでも従業員に意志力を与えたいという話になりました。しかし、どうすれば意志力の高い人間になってもらえるのでしょうか?

「今日から変わろう」と思っても、人間はなかなか変われないのはご存知のとおりです。意志力が弱い人がこれをやると、3日も経てば実行できていない自分に嫌気が差して、現実とのギャップに苦しみ自信を失ってしまいます。かといって、自己啓発でよくある「成功した自分をイメージしなさい」というのも、実際に上手くいった話はほとんど聞いたことがありません。

意志力を高める唯一の方法

結論を言うと、この問題を解決するのは「習慣」なんですね。先のチャールズ・デュヒッグ氏も著書の中で、習慣を変えれば意志の力も変わる…というような話をしています。人間、自分の意志だけで行動を変えようとしても上手くいかないものです。というより、習慣から入らなければ、意志力を高める魔法なんてないというのが真実ではないでしょうか?

イングランドの詩人ジョン・ドライデンが「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる」と言っていますが、これは本当にそのとおりではないかと思います。冒頭のアルバイト店員も、もしかしたら意志力が足りずにバカな行動を起こしてしまったのかもしれません。よい習慣が身についてたら、こうはならなかったのかもしれません。イヤになるニュースではありますが、僕らも改めて習慣の大切さを考えるキッカケにしたいものですね。

PS
ボブが苦手だった習慣化を克服した方法についてはコチラから

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。