紹介営業における3つの壁

FROM 安永周平

あなたの会社がどうかはわかりませんが、多くの会社では「紹介が大事だ」「お客に紹介をお願いしろ」と営業マンにハッパをかけます。ところが、ご存知のとおり「どなたか紹介してくれませんか?」としつこく頼むだけでは、嫌われる営業マンへ一直線です。

営業側としても、お客さんに会う度に「紹介してくれませんか?」と頼むのはプライドが許さないもの。正直「やりたくない」というのが本音ではないでしょうか。実のところ、片っ端から紹介を頼むだけではお客さんから嫌われます。そのため、なかなか紹介依頼のトークを切り出すことができない人が多いです。

ところが、”お客さんに抵抗されることなく”紹介を依頼する方法があったらどうでしょうか? その結果、お客さんが喜んで知り合いを紹介してくれる方法があったら、使ってみたいと思いませんか? 今日はそんな方法をあなたにお届けしたいと思います。

お客さんが抵抗する最大の理由

さて、あなたがお客にさんに「友達を紹介してくれ」とお願いしたとしましょう。その時、お客さんにとってのリスクは何でしょうか?端的に言えば、それは友達を失うリスクです。もしあなたが、その友達に強引な営業を行えば、お客さんは友達を失うリスクがあるわけです。

ですから、お客さんは購入した商品・サービスに満足し、あなたを120%信頼していない限り友達を紹介することはありません。逆に考えれば、商品・サービスに満足し、あなたを120%信頼するタイミングを狙えば、紹介してもらえる確率は上がるはずです。では、あなたを信頼する瞬間とはいつでしょうか?

多くの場合、それは契約(購買)の直後でしょう。特に個人向けの営業の場合、欲しかったものをやっと手に入れた瞬間なわけですから気分が高揚しています。その嬉しさを伝えるために友達を紹介したくなるわけです。ただ、1つ問題が残っています。それは…

多くの人が見落とす「検索プロセス」

契約直後に「紹介してください」と言われても、お客さんはパッと”紹介できる友達”の名前が思い浮かばないということです。たとえば、住宅工務店の営業マンが契約を取った瞬間を考えてみましょう。その時、家を立てる予定のある友達がすぐに思い浮かぶかというと、普通の人は浮かびません。

つまり、お客さんは「家を建てる友達を探す」という”検索プロセス”に入ってからしばらくしないと、具体的な名前が思い浮かんでこないのです。ですから、あなたが先ずすべきは、お客さんに紹介をお願いすることではなく、検索プロセスに入ってもらうことなのです。

紹介には「前振り」が必要だ

では、契約後に紹介を頼むのがベストなタイミングだとすると、お客さんに検索プロセスに入ってもらうべきはいつでしょうか? お察しのとおり、それは商談中ということになります。契約後にいきなり「知り合いを紹介してください」と頼むのではなく、その時までに、あなたの商品を必要としてくれそうな友達や知り合いを考えておいてもらうのです。いわば「前振り」ですね。これを商談中に行うわけです。

そんな都合のいい方法があるのか? と思われるかもしれませんが、これはちょっとしたテクニックによって可能となります。もちろん、現時点での信頼のレベルにもよりますから、これをすれば100%紹介をもらえる…とまではいきません。しかし、何度か自分で練習して実践で使っていく中で、紹介をもらえる確率や数は格段に上がっていくでしょう。

実際に紹介を頼む時はどう言えば?

そして、商談中に前振りを行ったうえで、契約後にたとえば次のように頼んでみましょう。

「実は、お願いがあるのですが…◯◯様もご存知の通り、私どもの会社は、価格に上乗せされることになる広告宣伝をできるだけしないで、信頼されるお客様からのご紹介で成り立っております。そこで、◯◯様が私どもの仕事に満足された場合には、お友達に、私どもの会社をご紹介いただけませんでしょうか?

このように依頼されても、お客さんは決して嫌な気分がしないでしょう。なぜなら、お客さんは「自分を満足させなければ、紹介が得られない。だから、この人は、自分を満足させるために一生懸命やるだろう」と思うからです。

もう1つ乗り越えなければならない壁

そして、もう1つ紹介が得られない理由が残っています。それは、単純にお客さんが「どんな人を紹介していいか分からない」ということです。たとえば、保険の営業マンが「知り合いで、保険の加入を検討している方はいませんか?」と聞いても、おそらく「あぁ、そう言う人がいたら連絡しますよ」と言われて終わりでしょう。2度と連絡は来ません。

だいたい、お客さんを探している保険の営業マンに「保険の加入を検討している人を探せばいいんだよ」なんてアドバイスしても、言われた方は「そんなこと分かってるよ!」とツッコみたくなるでしょう。つまり「保険の加入を検討している人はいませんか?」と聞くのは、営業マン本人にとっても難しい依頼をお客さんにしているのと同じです。無理な話なんです。

そこで、この依頼をカンタンにするためには、加入を検討している人を紹介させるのではなく「見込み客の探し方を教えてあげる」方が効果的です。たとえば「資産運用について話したりする同僚はいませんか?」とか、より具体的なアプローチをしていくのですが…世界有数の営業マンとして活躍し続けるトム・ホプキンス氏は、これを「参照範囲を絞る」と表現しています。

以上、紹介をもらえない理由として「タイミングの間違い」「前振りの欠如」「見込み客の探し方が分からない」という3つの理由を紹介しました。ちなみに、これらの問題を解決する方法を全て網羅した商談の進め方は、ボブが入門用の教材としてまとめています。実際に使って確実に成果を上げたい方は、ぜひこちらチェックしてみてください。

ボブ・バーグ流『紹介が連鎖する商談の進め方』

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。