私が考える”本物らしさ”の定義

FROM ボブ・バーグ

以前、ご紹介した記事で、サウスウェスト航空のエピソードをお伝えしたが、覚えているだろうか?このエピソードを簡単に振り返ってみよう。

サウスウェスト航空の飛行機が目的地に到着した時のことだ。ある女性の乗客は認知症を患っていたためその状況を飲み込めず、パニックに陥り飛行機から降りることができなかった。その時、サウスウェスト航空のフライトアテンダントが「私と一緒に踊りませんか?」という声かけをし、踊るようにして彼女を出口までリードしたのだ。この行動によって、女性は恐怖を感じることなく、そして安全に飛行機を降りることができた。

フライトアテンダントの行動を生んだ2つのもの

さて、この背景にはサウスウェスト航空会社の社風と、主人公となったフライトアテンダントが自分らしさを発揮した結果であるということは、この前お話したとおりだ。

このフライトアテンダントは何か特別なことをしたわけではなく、いつもの自分らしく、あるいは自分が思うように行動をしただけであるとも言えるだろう。これこそ、本物らしさ、あるいは自分らしさではないだろうか?

この「本当の自分らしさ」とは一体なんだろうか?もしかすると、「今の自分を大切にすることであり、ほかの何者にも染まらないことであること」「今の自分から成長しないことを選ぶこと」だと考える人もいるかもしれない。

私の考える「本当の自分らしさ」とは…

だが、私の考える「本当の自分らしさ」を追求することとは、自分自身をアップデートしていくこと、自分の本質を極めること、より良い自分を実現していくことである。変化を避けては通れないものなのだ。

そう、「自分らしくある」ということは、「これが私という人間なのだ、嫌なら離れてもらって構わない」なんて態度をとることを言っているのではない。そのような態度は、本当の自分らしさを追求するというより、むしろこれは怠惰な状態だと言えるだろう。

たとえばの話だが、ふだんから怒りっぽい人がいるとしよう。その人が「私は怒りっぽい人間だが、これこそが私らしさだ」なんて言ったら、その人はただワガママなだけだろう。こういう人こそ、よりよい「本当の自分」を実現するために取り組みが必要だ。

自分のやり方で本物らしさを追求しよう

だから、本当の自分らしさを獲得することとは、自分自身の性格の傾向を正しく理解し、自分やほかの人にとってプラスには働かない自分の性質は何かをしっかりと把握したうえで、さらにそれをブラッシュアップできるよう取り組んでいくことなのだ。

ほかの人が見せた親切や優しさを、そのまま真似する必要はない。自分には自分なりの考え方や、自然な反応というものがあるはずだ。あくまで自分をベースに考えよう。あなたなりのやりかたで、親切や優しさを実践すればいいのだ。

ここで重要なのは、「こうなんだから仕方がない」、「こうしなければいけない」といった「制限」をとっぱらうことだ。そして、本当の自分らしさを考えるには、自分の内に眠っている素晴らしい才能や能力を「発揮しよう」とする姿勢を持つことも大事なことである。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。