成功し続ける人の思考の癖

FROM ボブ・バーグ

人はなにかに注目するとつい、長期的な視野を持てなくなるものだ。こうした近視眼的に判断することの危険性に考えるとき、ロバート・グリーンの著書『人間の本質の法』が思い浮かぶ。

この本には、近視眼的思考のいくつかのタイプが挙げられている。近視眼的思考というのは、遠くに見える不確かな危険よりも、直近の明らかな危険を重視することにもとづいていると説明されてもいる。こういった近視眼的思考で物事をとらえた結果、思いもよらないことが起こる場合もあるものだ。

たとえば19世紀のインドの話を紹介しよう。このころインドはイギリスの植民地だったのだが、当時デリーの街中(まちなか)に毒ヘビが頻出していた。そこでヘビの数を減らすために、退治してその死骸を持ってきた人には報酬を出す、という対策がとられた。

政府の思惑とは別の弊害が…

すると、政府が思ってもみない問題が起こってしまった。それは報酬を得たい人たちが、逆に毒ヘビを飼育し、増やそうするようになったのだ。こうした事情もあり、政府がこの政策を断念すると、なんとこれに対してヘビを飼育していた人たちが激怒し、ヘビを道に放ってしまった。政府としては良かれと思った政策が結果的にはヘビの数は3倍にも増やしてしまうことになった。

さて、こうした失敗は歴史上、枚挙に暇(いとま)がない。政府が出す解決策は、もちろん善意によるもので、これが正しく理解された結果、功を奏するものも多々あった。しかしこの毒ヘビの例ように、近視眼的な解決策によって、当初は予期されていなかった新たな弊害が生まれるのもよくあるものだ。

私たちはみな、問題が起きたならそこには解決策が存在し、それを実行すれば問題を取り除けるものと考えがちだ。でも擦り傷に絆創膏を貼るだけでは、ともすると感染症だって引き起こしかねない。状況が悪化する可能性だってあるのだ。

問題が起きた時に最初にやるべきこと

先ほどのロバート・グリーンはその著書の中でこうしたネガティブな結果を避けるには「山を登ることが大切」だと言っている。これはつまり、問題を解決しようと反射的に考えるのではなく、時間をとってより広い視野で見られるように、視点を上へ上へ移すことの大切さを表している。

俯瞰的にとらえてから行動方針を決定するのでも遅くはない。症状を見るのではなく、その原因を見るようにすることが大切だ。

私たち人間は日々、たくさんの決断をしなければならないが、その決断に必要な情報は多くの場合限られてしまっている。しかし、私たちはそのことに気づけないまま、つい反射的に物事を考えがちでもある。

物事を俯瞰的に捉えよう

だが、症状ではなく原因を見ること、より俯瞰的な広い視野を持つこと、印象的な瞬間だけではなくあらゆる文脈を理解しようとすること…このようにして決断を下していくことは大切だ。

また、その下した決断にもおけるすべての可能性について、最大限に考えよう。「もしもこうだったら?」という疑問を常に持ち、可能な限り情報を集めたうえで自分にできる最善の選択を意識的におこなうこと、これもまた大切だ。

もちろん、そうすれば必ずどんなときでも正しい選択や正しい結果を得られるとは限らない。それでも、その心がけによってよりよい選択をおこなえる可能性は高まり、それに付随してよい結果を得られる可能性だって高くなるはずだ。

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長期的な成功にはこの資質が重要になります…

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。