リンカーンが政敵を滅ぼした方法

FROM ボブ・バーグ

第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンは対人関係の達人だった。実際、リンカーンは職務時間の7割を人と会うことに充てており、南北戦争初期に志願した兵士はすべて会ったとされている。

こうしたことからわかるように、リンカーンは対人関係に重きを置いた大統領だったと言えるだろう。今回はそんな彼が説得の達人だったことを示すことをエピソードをご紹介しよう。

リンカーンが政敵を重要なポストに起用した理由とは?

リンカーンは大統領時代、スワード国務長官、スタントン陸軍長官とのそれぞれの折り合いが良くなった。事実、スワード国務長官はリンカーンに対して、大統領の権威を失墜させるために何度も妨害工作をしているほどだ。彼らはリンカーンが危機の際に国家を率いる資質や能力にかけているとし、見下し無能扱いし、平たくいえば敵意を持っていた。

しかし、リンカーンはこの2人に尊敬されていないことを承知のうえで、彼らを重要な地位に任命した。実際、当時の新聞記者は、「なぜ、あなたは自分の支持者や味方といった人たちで内閣を固めないのか」と問いかけた。するとリンカーンは「閣僚には、党の中でもっとも有力な人間になってもらう必要があったからだ。そして、彼らが国家に奉仕したいと気持ちを阻む権利は自分にはない」と語ったと言われている。

真のリーダーは敵を味方に変える人

そこで、リンカーンは彼らをよく知るために多くの時間を費やし、自分と彼らが似ている点を探した。すると、祖国への愛と職務への献身的な姿勢をはじめとして多くの類似点を見つけた。その結果、これまで敵対していた2人の実力者を味方につけることに成功したのだ。なんと素晴らしいリーダーだろう。

リンカーンの多くの名言の中で私が特に気に入っているものは「私は友人になることによって、敵を滅ぼす」というものだ。同じような格言に「真の強者とは自分の感情をコントロールし、敵を味方に変える人のこと」というものがあるが、まさにリンカーンは格言通りの真の強者ではないだろうか。

相違点よりも類似点を見つけよう

私たちはついつい相違点にばかり注目してしまいがちだ。しかし、視点を変えれば似通っている部分も多いものだ。だからこそ、もっとお互いの類似点に注目し、それを相手に伝えるだけで、信頼関係を築くことができる。

想像力を少し働かせて相手との類似点に注目しよう。もしも自分が相手と同じか同じような目標を持っているのであれば個人的にないさかいは解消される。敵を友人にあるいは味方に、私たちは変えていくことができるのだから。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。