価格以上の「価値」の与え方

FROM ボブ・バーグ
本日のテーマは、私が5つの法則としてお伝えしている「価値の法則」を掘り下げよう。価値の法則は「あなたの本当の価値は、どれだけ多く受け取る以上のものを与えるかによって決まる」というものになる。

受け取る以上に与えたら破産一直線では?

とはいえ、この法則は少し直感に反するかもしれない。それは、受け取るよりも多くのものを提供してしまうと、手元にお金が残らないからだ。そんなことばかりしてはビジネスが成り立たないんじゃないか、それだと破産まで一直線なんじゃないか、なんて思われる方もいるだろう。
でも実際には、これこそが成功へのカギになる。そのためにもまずは”価格”と”価値”の違いを理解することにある。まず、”価格”とは数字のことで、ある程度定まっているものを指す。いっぽう、”価値”とは、人によって感じ方が異なるうえに、最終的にそれを手にする人がどう感じるかにおおいに依存するものだ。

金銭的な価値と感情的な価値

たとえば、ある仕事の締切直前にパソコンの調子がおかしくなり、修理代金が500ドルだとする。もしその仕事を完遂すれば報酬が2000ドルもらえることになっているなら、それは修理代金の500ドルを支払っても、その500ドルより多くの価値を得ることができるだろう
もちろん、パソコンがちゃんと動くようになったことに安心感も得られる。そして、その修理作業において相手がいいはたらきをしてくれたなら、なおのこと気分は晴れやかになるはずだ。このように、”価値”とは具体的な金銭によるものである場合もあれば、人の気持ちといった抽象的でとらえどころがない場合もある。

支払われた金額以上の価値を提供すること

これは、あらゆるセールスの場面で同じことが言えるだろう。どんな人でも、自分が求めている対象に対し、払ってもいいと感じられる”価値”を提供してもらうことでそれを購入する。そう、買い手は価値を得られ、売り手は対価を得る。結果、双方が得している状態になる。だからこそ取引においては、関わる両者にとってWin-Winと成りえるわけだ。
そのため「価値の法則」でお伝えしている「どれだけ多く、受け取る以上のものを与えるか」というのは、相手に対して価格などでに値引きしてあげることではない。それとは別の形の”価値”で、相手が払ってくれた”価値”以上のお返しをするということを指すのだ。
こうすれば買い手側は自分が支払った金額以上の”価値”を手にすることで得をし、いっぽう売り手側は商材に掛かったコストを上回る利益を得る。繰り返しになるが、両者それぞれがWin-Winになるのだ。

その価値は相手が欲しているものか?

当然だが、利益を出すことはビジネスの成功において非常に重要だ。そのためには、コストを上回る金額でモノを売らないならない。もちろん、あなたは日々のビジネスの中で、自分たちが提供する”価値”について、ある程度理解はしているだろう。
ちなみに「価値は見る者の目に宿る」なんてよく言われる。まさに相手のその目線に立つこと。また自分たちの有している価値を効果的に伝えることが大切になる。あなたこの価値を効果的に伝えているだろうか?
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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。