FROM ボブ・バーグ
突然だが、私の友人のジョンとアナ夫妻が行くレストランの話をしよう。彼らの住まいから10マイル離れたところに、料理がおいしいレストランがあった。ただし、残念なことがあった。それはたまに出てくる料理はおいしくなかったのだ。また、こことは別に5マイル離れたレストランでは、そこそこの値段でいつ行ってもハズレが無い料理を出していた。さて‥
あなたならどちらを選ぶだろうか?
おそらく、私の言わんとしていることお分かりだろう。つまり、卓越した価値を常に一貫して最良の品質やサービスを維持すること。このことは成功の1つの鍵でもある。それは、無言実行でも有言実行でもいい。あなたがやると決めたらそのことに対して矛盾を生まないように取り組むべきなのだ。さらに言えば、細かいことにも注意を払うことが望まれる。
この細かいことに注意を払うことについて、もう1つ素晴らしい例を紹介しよう。私がよく利用している旅行代理店担当のジムという男性がいる。彼は驚くほど細かいことにも気を配ってくれ、私のフライトを丁寧にアレンジしてくれる。頼んでいることはインターネットで事足りるのだが、それでも彼にお願いするのは理由がある。先ほどのような気配りに加え、時間を節約できたり、さらには期待以上のことを彼がしてくれるからだ。私は彼なりの配慮や仕事にいつも安心している。というより、私の出張の依頼する時はもはや彼でなくてはならないくらいだ。
周囲から口コミされるエンジニア
また、私のクライアントの中にフォーチュン100社に選ばれている会社がある。その会社のヘルスケア部門でショーンというエンジニアがいる。これは彼がとある病院に派遣された時の話だ。なぜ彼が派遣されたかというと、あるご家庭の娘さんが特殊な検査機器を使うことになり、万が一の不良に備えてというものだった。
当時、検査を受ける娘さんはわずか3歳。全身麻酔を打ち、検査しなければならず、本人も家族もうまくいくかどうか不安だった。そんな様子を見た彼は、ギフトショップまで足を運び、大きなテディベアを買い、その少女にテディベアをプレゼントしたのだという。少女は予想外のプレゼントに喜び、そのテディベアを抱いて、安心して眠ってしまっているうち無事に検査は終わった。
後に聞いた話によれば、彼が仕事を終えた後もその少女はテディベアを離さず大切にしていたという。この話が私たちに教えてくれることは、共感力というのは、リーダーシップやセールス、あるいは人生の成功にとっても重要なものであるということだ。それによって多くの人々に影響を与えることもできる。
つまり、彼は不具合のためのただのサポートというではなく、彼なりの仕事以上の「価値」を付け加える工夫をしていたのである。そして、その彼のショーンの女の子やご両親への心遣いに、病院関係者すら心を動かされた。彼の「価値」は相手の記憶に残り、思いやりのある逸話として私を含めたあらゆる人々が彼のことを話す。
私たちはある程度は相手のことを察することができる。しかし、ショーンはそれを察するだけでなく、行動に起こしたのだ。それが、普通の人との大きな違いでもある。そう、共感力の高い人というのは、成功できる人でもある。ところで、この病院がショーンが勤める会社にとって、とてもいいクライアントになったことも想像に難くないだろう。
感謝を効果的に伝える方法
では、逆にあなたが相手からもたらされた「価値」が素晴らしかった際にはどのように伝えるべきだろうか?
先ほどの話にも関連するが、共感力が高い人々はささいな価値にも気付き、感謝を伝えようとする。ただ、私たちがこのような感謝の心を相手に示すには、どんな方法があるだろうか。メールで返事を出すことかもしれないし、電話をかけるという方法もあるはずだ。とはいえ、私は感謝のお礼状を出すこと勧めたい。
さて、今回は少し変わった感謝を伝えた例を紹介しよう。紹介したいのは、メアリーさんというデトロイト出身の会計士だ。彼女が新しいクライアントを事務所に迎えるとき、彼女は入り口に「初めてのご来所をお待ちしておりました」と大きく書いて出迎えているという。ある夫婦を迎い入れた時には、本物の花を添えて待っていたりもする。
もちろん、彼女の仕事は会計業務であり、こうした業務が基本にある。しかし、こうした来客への感謝の仕方に感動を覚える人もいる。ちなみに感動を覚えた人はどうするだろうか?そう、自分の知り合いにこのことを伝えていた。「実に素晴らしい会計士に出会った」と。
与えるセールスが成功する理由
さて、ここまで紹介したお話をどう思われるだろうか?それは、ささいなヒントだったかもしれない。だが、彼らが成功しているしている理由はセールスで成功している人とも共通する。なぜ、与えるセールスが成功するのか。それはその人が相手のこと、あるいは相手の利益に焦点をあてているからである。
多くの人は、営業と聞くと、相手が買いたくないものを無理矢理買わせることを連想するが、本当にそうだろうか?あるいは、こう勘違いしている人もいる。営業とは何かしらの点で相手よりも優位に立つことだと。これも全くもって違う。はたまた、営業は相手から利益を奪うことではない。
売ることは”与える”こと
営業の本質とは、相手が何を必要としているか、望んでいるかに気付くこと。そのうえで、相手に価値を与えることなのだ。古英語で「売る」という言葉は「与える」と一緒であったのだ。つまり、営業の基本は与えることでもある。
あなたが何かを売る時、あなたが与えているものには、卓越性、一貫性、注意(気配り)、共感、感謝といった付帯的な「価値」が含まれている。そして、それらはあなたなりの独自なやり方で相手に「価値」を与えることができる。だからこそ、卓越した価値を一貫性をもって提供しよう。そのうえで、相手に注意や共感を示そう。感謝の気持ちを大切にしよう。感謝は幸福をもたらし、関わる人々にも波及するものだ。
繰り返しになるが、私たちは相手に価値を与えるためにあらゆる努力や工夫をすることができる。こうしたことをスポーツのように楽しんでみて欲しい。さらにこうした行動に一貫性を持たせることが鍵になる。一貫した行動を保つことができれば、そのことを賛同してくれる素晴らしい人々があなたに目を向けてくれるはずだから。
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