45年連続黒字の会社の社風

FROM ボブ・バーグ

少し前、テキサスで国際スピーカーコンベンションがテキサスで開催された。そこで私はある講演を聞いていた。講演者は、有名企業サウスウェスト航空のCEO、ゲリー・ケリー氏が登壇していた。

彼が誇らしげに、そして楽しそうに話していた内容は彼のチームメンバーについてだった。とてもいい話だったので、あなたにも共有させて欲しい。とはいえ、私はこの講演内容を録音していたわけではないので彼の言葉の一字一句の再現している訳ではないことをご理解いただきたい。

45年以上連続で黒字を達成した航空会社

さて、サウスウェスト航空についてお調べになるとすぐにわかりになるだろうが、サウスウェスト航空は実に45年以上もの間、連続で黒字を成し遂げている。そんな彼らの企業理念の中心にあるのは「心」「気持ち」になる。まさに、それが彼らのあり方であり、彼らのふるまいそのものでもあり、彼らの社風そのものだ。

そんなサウスウェスト航空の業務中に起きたある出来事になる。そのフライトではある年配の女性とその女性の娘が搭乗していた。そして、飛行機は目的地に到着し、乗客たちは降りていくのだが、その年配の女性は飛行機を一向に降りようとしなかった。

実は彼女は認知症の1つであるアルツハイマー病を患っていた。そのため、飛行機を降りるときに状況が飲み込めなくなり、恐怖に陥り、あと少しでパニックも起こしかねないような様子だった。

しかし、そんな状況を見たある若いフライトアテンダントが、彼女に近づき、笑顔でこう言ったのだった。

「驚かせてごめんなさい。もしよろしければ、私とダンスを踊りませんか?」

すると、この誘いに年配の女性はすぐにイエスと答えた。フライトアテンダントはこの女性の手をとり、まさに踊るように一緒に飛行機を降りてあげた。そのまま、規定どおりの通路へ彼女をリードしていくことに成功した。

のちにこの女性の娘から、フライトアテンダント宛に手紙が届いた。もちろん、そのフライトアテンダントの行動を称賛する内容だった。恐怖に陥っている母親の気持ちに寄り添い、だれも傷つけることなくその状況を解決することができたのだから。

「私とダンスを踊りませんか?」という咄嗟の一言は、実にすてきな一言だったと私は思う。もしかするとその女性は、昔自分の夫に社交パーティーでそう言われた日のことを思い出したかもしれない。もちろんこれはただの想像すぎないが。こんなふうに思いやりと親切に満ちた解決方法をいったいどれだけの人が思いつき、行動に移すことができるだろうか。

最高の社風とそれに合う人材を採用すること

もしもサウスウェスト航空でなければ、セキュリティスタッフや警察を呼んでこの女性を強引に降ろすような結末になっていたかもしれない。他の航空会社であれば、この女性をいかにも悪人のように扱ったかもしれないし、業務妨害の疑いをかけて逮捕したかもしれない。

一方、例の「踊りませんか」と言ったフライトアテンダントも、別の社風の航空会社に勤めていたとしたら、はたして同じようなことができただろうか。そうすることが当然と感じられる社風でなかったら、彼女本来の素晴らしい資質を発揮するのに、何かしらの抵抗を感じていたかもしれない。

このフライトアテンダントは、サウスウェスト航空という会社の社風やカルチャーとぴったり噛み合う人物だったからこそ、そのような行動を自然にとることができた。社風やカルチャーを醸成することはもちろん大切だ。だが、それ以上にそのそれらに当てはまるような人材を採用していくこと。これこそがもっと大切になことでもある。あなたはこれらのエピソード、どう思われただろうか?

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。