6年前の自分に教えてあげたい

From 安永周平

もう6年前のことになります。2016年、私は4年間務めた会社を退職し、大阪から福岡へ引越して、33年の独身生活にピリオドを打って結婚し、人生で初めて会社を起こし……とまぁ短期間に色んなライフイベントが重なって、結構大変な年だったんですよね。それでもまぁ「2、3年もすれば色んなことが軌道に乗って、今より時間に余裕ができるだろう」なんて思っていました。ところが…

もう少ししたら時間に余裕ができる?

2022年現在、仕事もプライベートも6年前よりずっとずっと大変な状況になっています(苦笑) 私は人よりちょっとマーケティングのスキル・経験があるだけで、マネージャーの経験はあっても経営者としてはポンコツで、色んなことが手探りです。それでも、いいお客様や、このメルマガを読んでくれるあなたのような向上心のある方に支えられて事業を継続することができています。本当にありがとうございます。

そして、現在39歳になるわけですが、2年前に子供も生まれて、家業にも本腰を入れて…となると、まぁ仕事でもプライベートでも色んな問題・課題が出てきます。当時の悩みなんて大したことなかったな…と思うこともしばしば。ただ、これも試練だと思って乗り越えていくしかありません。きっと、あなたもそうした苦しい経験を乗り越えて来たらこそ今があるのでしょうし、私も負けないように頑張ります。

人は”未来の自分”を過大評価する

さて…「突然、何の話だ?」と思ったかも知れませんが、何が言いたいかというと「未来の自分は時間に余裕がある」というのは、多くの場合は幻想に過ぎないということです(笑)。きっとあなたもそうだと思うのですが、向上心を持って日々成長しようと思っている人間というのは、自ら仕事をつくり出すものですし「落ち着いたら…」という日はなかなかやって来ません。

ところが、人間というのは”未来の自分”に対しては「今よりもっと時間に余裕があるはずだ」とか「今よりもっとやる気に満ち溢れて、仕事も速くできるはず」といった期待を抱いてしまうものなんですよね。これは短期的にも、長期的にも同じではないでしょうか。事実、『スタンフォードの自分を変える教室』で有名な心理学者のケリー・マクゴニガル氏は、人間の「やる力」を調べるためのこんな実験を紹介しています。

実験:醤油とケチャップ、どんだけ飲める?

ある実験で、学生たちにケチャップと醤油を混ぜた(クソ不味い)液体を飲ませることにしました。前提として彼らは、飲む量が多ければ多いほど、それだけ研究者の助けになると説明されています。つまりは、自分たちが科学の発展に寄与できるということです。まさに「やる力」のチャレンジとも言えるでしょう。

実験はA〜Cの3つのグループに分けて行われました。まずAグループの学生たちは「数分後に飲んでください」と言われました。次に、Bグループの学生たちは「実際に飲んでもらうのは、次の学期(半年後)です」と説明されました。そしてCグループの学生たちは「次にこの実験に参加する人は、どれくらいの量を飲むべきでしょうか?」と質問されました。

さて、あなただったらどれくらいと答えますか? 今すぐに飲めと言われたら? 飲むのは半年後と言われた場合はどうでしょう? あるいは、赤の他人が実験に参加するとしたら、どれくらい飲むべきだと思うでしょうか?

「未来の自分」ならもっとできる…

さて、結果はどうだったかというと、数分後に飲んでくださいと言われたAグループの学生の多くは「スプーン2杯ならなんとか飲める」と回答しました。しかし、BグループとCグループの学生は、その倍以上となる「半カップくらい」と答えたのです。これはつまり、人間は「未来の自分」や「赤の他人」はもっとできるだろう、という間違った予測をしてしまう傾向があるということです。

また、別の実験として学生たちに「人助けのためにどれくらい時間を取れるか?」と聞いた場合も、ほぼ同じような結果になりました。具体的には、「知り合いの学生の勉強を見てほしい」という依頼に対して、学生たちは次の学期であれば平均して85分の時間を取れると答えました。

次に、自分が時間を取るのではなく「一般的に学生は、友人や知り合いの勉強を見るのにどれくらいの時間を取るべきだと思うか?」と聞かれた場合、学生たちが答えた時間の平均はもっと伸びて120分でした。ところが、「今期はあなたはどれくらい時間を取れますか?」と聞かれた場合、彼らの回答の平均はたった27分に過ぎなかったのです。

今はいいや。だって未来があるから…

以上のことを踏まえて、ちょっと考えてみください。未来の私たちは、今の私たちと違って、健康のために毎日運動をするに決まっています。未来の私たちは、深夜にカップラーメンを食べたりせずに、野菜たっぷりの健康的な食事をしているに決まっているのです。だから、今はコンビニでジャンクな唐揚げを買って食べたり、コーラをがぶ飲みしたりしたって構わないわけです。

未来の私たちは、現在の私たちよりも時間もエネルギーも有り余っていて、意志力も強いはずなんです。現在よりもトラブルに対して打たれ強く、パワフルになっていて、1日10時間ぶっ通しで働いても平気です。やる気に満ち溢れていて、仕事のスピードも上がっているので、面倒なことは全部未来の自分に任せてしまうのが得策なんです…

って、そんなわけないんですよ。

未来の自分を想像する時って、結構そんな妄想をしてしまうもの(笑) こうした気持ちは、いかにも人間らしい、ありがちな勘違いではないでしょうか。そう、私たちは未来の自分のことをまるで別人のようにとらえてしまいます。何の根拠もなく、メチャメチャ理想的な自分を想像してしまい、今の自分の手には負えないことでも、未来の自分ならできるはずだと高をくくるんですよね。

でも結局のところ、人は時間が経つだけでは変わりません。「変わろう」と決意するだけで未来がよくなったりすることはありません。私のように「2年くらいしたらもうちょっと余裕ができるだろう」なんて甘っちょろい考えを持っていると、未来はもっと大変な状況になっているかも。だからこそ、成果を求められる人間にとっては、日々の行動の習慣をつくることが大切になってくるわけです。

「GIVER」とは、単にいい人であるだけでは不十分です。目標に向かって行動を起こし、達成できる人間(GETTER)でなくてはいけません。習慣による変化は、すぐに現れるわけではありませんが、1年後、2年後に大きな変化をもたらしてくれるもの。ですから、ぜひ小さなことから行動を起こしていきましょう。

PS
ボブも昔は習慣化が苦手だったそうですが、コレを使うことで、完璧とは言えなくても、かなり自分をコントロールできるようになったと言います↓

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この記事の執筆者

1982年生まれ。福岡県出身。九州大学工学部卒(修士)。『THE GO-GIVER』日本公式サイトの運営責任者。

トヨタ自動車で4年間、生産技術のエンジニアとして勤めた後、ダイレクト出版へ入社してセールス&マーケティングの仕事に従事。3ヶ月後、グループ会社である経営科学出版の事業を任される。年商2億ほどで赤字だった事業部を1年で黒字化。1枚のセールスレターで2万人超の新規顧客を獲得した実績もあり、マネージャーとして事業部の年商7億円突破に貢献。

5年目に独立し、福岡で寿コミュニケーションズ株式会社を設立。現在、建設業を含む2社の経営に携わり営業チームの強化に当たる。ボブ・バーグの日本における独占ライセンシーとなり、当サイト『THE GO-GIVER』を通じて、営業、士業、中小零細企業の社長に役立つ教育事業を展開中。福岡在住。