フランクリン流:説得力の高め方

FROM ボブ・バーグ

本日はあなたのコミュニケーションをより円滑にし、より説得力のあるものにする方法をご紹介しよう。その方法によって、あなたは自分はなんでも知っているといった独善的な印象を与えることなく、相手の感情と意見を尊重することのできる。実に優れたやり方だ。

論理では人は動かない?

これは、米国建国の父として知られるベンジャミン・フランクリンの自叙伝に書かれている教えでもある。

議論が強かったフランクリンは論理を駆使して相手をやりこめることができた。ただ賢明な彼はそれをしてしまうと相手が反感を抱いてしまうことにすぐに気づいたのだった。交渉や説得において、理屈や論理のうえでは相手を納得させられても、それでは相手を動かすことができないことに。

ともすれば、相手は侮辱されたように感じ、自尊心が傷けてしまう。となれば、なおのこと自らの負けを認めることができなくなる。結果として、相手の意見や行動を変えさせることはより困難になってしまう。フランクリンはその自叙伝に次のように書いている。

フランクリン流:説得力の高め方

”私は控えめに表現する習慣だけを維持して、徐々にこのやり方を改めた。そして、議論を引き起こしかねない表現を避けるようにした。たとえば「絶対にそうです」とか「間違いありません」といった断定的な言い方を避けたのだ。

そして、「私はこういうふうに思うのですが…」「こんなふうに感じます…」「こういう理由ではないかと考えています…」「そうではないかという気がします…」という婉曲的な言い方をするように心がけた。

すると、はるかに人々から自分の意見を聞き入れてもらい、ずっと推し進めてきた方針を受け入れてもらううえで、私はこの習慣が大いに役立ったと確信している。”

さて、私たちもこの偉人の教えを参考にして、謙虚さと気配りを心がけながら自分の考えを控えめに表現しようではないか。

謙虚で気配りのある話し方を実践しよう

このように自分の意見を言うときは断定的な言い方を避けるべきだ、というフランクリンのアドバイスには大賛成だ。正直に明かせば、私はその反対のことをしがちだった。しかし、断定的な言い方をするとき、私はたんに自分の意見を押し付けているにすぎないことを自覚するようになった。

もしあなたが自分の意見を最も説得力のある方法で伝えたいならフランクリンのアドバイスに従うべきだ。それは「これは私の意見にすぎないのですが…」という謙虚で気遣いのある言い方になる。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。