上手に反論を伝える4STEP

FROM ボブ・バーグ

あなたの周りに何かに反論したくなる衝動を抑えられないという人はいないだろうか?

最近ではそのための絶好の場がある。フェイスブックやツイッター、ブログといったSNSなどがそうだ。きっとあなたも、こんなやりとりを一度は見たことがあるだろう。

SNS上でのこんなやりとり…

投稿者A:「不要な恐怖心を抱くと、成功のための重要な一歩を踏み出せなくなる。しかし、そんなときでも恐怖心を乗り越えて行動を起こすことが重要だ」

投稿者B:「じゃあ、命の危険にさらされている場合の恐怖はどうするのか?」

投稿者A:「だから、「不要な恐怖心」って言っているじゃないか。しっかり読めよ」

このように誰かが発言した一般論として明らかに正しいことに対して、他の人が反論するというやり取りはネット上で頻繁に発生している。それは二者間であったり、グループ間であったり様々だ。

もちろん、相手の発言に異議を唱えること自体は間違ってはいない。実際、お互いに敬意を払って誠実な対話をし、学び合うことは素晴らしいことだ。

とはいえ、反論せずにいられない人を好む人はめったにいないものだ。それどころか、そんなことをする人は攻撃的で偏屈な人という印象を周囲の人に与えるだけだ。そして、このやり方をすれば世間の注目を集めることはできるかもしれないが、人を動かすことはできないだろう。

繰り返すが、相手に敬意を払いながら反論することは間違っていない。ただ、反論する場合は次の4つのSTEPを念頭において発言しよう。

反論する際に踏むべき4STEP

1. まずそれについて考える。

まず、感情的に反応するのではなく理性的に対応しよう。例えば、反論する前に少し間をおいてもいいだろう。後悔することはめったにない。むしろ、不要な行為をせずに済んだことにホッとするはずである。

2. 自分が賛成できる部分を探す。

多くの原則に例外が存在するのは事実だが、わざわざ反論するのは得策ではない場合もある。反論することによって会話が盛り上がるかどうかを自分に問いかけよう。そうでないなら、反論しない方がいい。

3. 気配りをする。

どうしても人前で真実を指摘しなければならないと感じたら(実際そういうことが起こるものだ)、気配りをして敬意を示しながら、丁寧に真実を指摘しよう。たとえば「もしかしたら…ではないかと思うのですが」「お聞きしてもよろしいでしょうか」というように控えめな表現を使うといい。できることなら、相手に恥をかかせないように2人きりの時に伝えよう。

4. 最終チェックをおこなう。

実際に反論する前に「自分の動機は純粋だろうか?それとも、周囲の人々に注目されるためだけに議論をはじめたり、相手の意見や自尊心を無理やりねじ伏せて楽しんだりすることが動機だろうか?」と自問しよう。これは自分が反論する動機を見極めるための、究極の質問となる。

相手を動かしたいなら
敬意を払って反論しよう

もし相手をやりこめることが動機なら、相手から強い敵意や反感を買うことを覚悟しなければならない。とはいえ、もしこのような状態になっている相手はあなたに好感を抱いて反論をすんなりと受け入れるだろうか?もうあなたもお分かりの通り、これでは逆効果になってしまうはずだ。

仮にあなたの反論が明確で有益なものであっても、それによって相手が動くことはないうえに、今後の関係性にも悪影響があるかもしれない。さらに言えば、あなたの時間も労力も無駄になるし、誰のためにもならないのだ。

もし他の人たちに注目されて、かつ影響力を拡大したいなら、4つのSTEPを踏んで自分の動機を見極めよう。もしそれが純粋な動機なら、遠慮なく反論すればいい。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。