GO-GIVERとは先に損をすること?

FROM ボブ・バーグ

私が「GO-GIVER」について語るとき次のような意見をもらうことがある。それは
「他者のことを優先的に考えるというのは、既に自分に余裕があって、自分でお金を稼ぐことにも心配がない場合には、いいアイデアと言えるかもしれない。ただ、それを自分のふだんの行動として実践し、結果を得るには時間がかかるんじゃないか」というものだ。

確かにそう感じる人もいるかもしれない。だが、そこには1つ、間違った前提がある。

GO-GIVERとは先に損すること?

それは「GO-GIVER的なやり方では長期的には顧客の信頼を獲得したりと恩恵があるかもしれない。やはり短期的には損をする。しかし、必要なのは”目先”の売上であり、達成することはできない」つまり、Go-giverとしての姿勢をもって何かしらビジネスをすることは何かしらの損を先にすることだと思っている。

さて、1つ例を挙げてみよう。例えば、そこそこ高額な商材を扱っているビジネスパーソンがあなたの前に現れたとする。すると、たまたまその人物が扱っている商材があなたにとって必要なことがわかったとしよう。このとき、2つのパターンが考えるだろう。

1つ目。その人物がまるで「モノを売る」ことしか考えていない…そんな感じが読み取れるときだ。言い換えると、いかにして目の前の相手を説き伏せ、販売手数料を稼ぐか。そんな態度だったならば、というパターンになる。おそらく、そんな人からは買いたくないという人は多いだろう。

もう一方の売り手はどんな意識で向き合っている?

それでは2つ目のパターンになる。さっきと同じような高額商材を扱う人物がいるとしよう。しかし、その人物はあなたの人生をより良くしたいという強い気持ちが感じられる。丁寧に質問を重ね、話を聞いてくれて、共感を示しながら、理解してくれる。

そんなニーズに応じ、扱っている商材がどんな価値をもたらすのかを説明してくれたらどうだろう。おそらく、ほとんどの人は前者よりも後者からモノを買いたいと思うだろう。
だからこそ、その商材の価値を適切かつ効果的に伝え、それによって相手のニーズを満たせることを示し、それが相手の心の琴線に触れること。これが必要になる。

損をすることと相手のことに焦点を当てることは違う

したがって、どれだけすぐに売上が必要だという場合であっても、自分のことは二の次にし、ひとまず相手のことに焦点をあわせること。これこそが唯一にして結果的に「今すぐ売上を上げる」方法になる。

だからこそ、まさにお得意様と呼べるような強い信頼関係のある顧客を多く持つことが大切になる。このセールスを絶対に成功させなければ!なんて固執や執着が無くなれば、それだけ相手のことを第一に考える余裕が生まれるからだ。

重要なのは、あくまで自分本位にセールスを成立させるんではなく、相手本位であること。それは相手の需要やニーズを真に把握してそれに応えようとすること。それを優先的に考えることになる。そして、それは先に損をすることは違うことだと理解してもらえるだろう。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。