名前を呼ばない電話の主

From 安永周平

「こんにちは。ただ今、◯◯をご利用のお客様に料金が安くなるサービスをご案内しています」

知らない番号から着信があったので出ると、どうやら営業電話のようです。たしかに私自身、そのサービスを利用しているのですが…話しているこの男性、私の名前を一向に言わないんです。普通、お客様に連絡するのであれば名前を呼ぶはずですよね。ところが「今使ってる◯◯の料金が安くなる」と言って、書類を送らせてほしいと言うだけ。まぁ電話番号知ってるくらいだから住所も知ってるのかもしれませんが、私の名前は知らない…そんなことある?

ひとまず「書類送ってもらう分には構いません」と言って電話を切りました。後ほどその電話番号をGoogleで検索すると、どうやら他社の類似サービスを売り込む迷惑電話のようです。なんだかなぁと。新規開拓営業の手段としてテレアポが一定の成果を上げるのは分かります。でも、個人の携帯に”知らない会社”から電話がかかってくると…不快ですよね。「どこで自分の携帯番号入手したんだ?」と思うのが普通です。おそらく不正に個人情報を収集している「名簿屋」から買ったんでしょうけど…使い方も使う方です。最初の印象が極端なマイナスから入るのは相当に厳しいのではないかと思います。

一方で、法人営業においてテレアポは有効だと思っています。どんな会社が自分の商品を必要としているか、それを理解していれば営業先を選ぶことができますからね。営業テクニックの専門家であるジム・マイゼンハイマー曰く、その際ポイントになるのは「手順に従う忠実さ」と「相手の話を聴く能力」だそうです。彼は『顧客に投げかけるべき質問TOP12』と題したオーディオ教材の作者であり、書籍も数多く執筆していますが、電話営業(テレアポ)で従うべき10の手順を次のように言っています。

テレアポで従うべき10の手順

手順1:準備段階

質問と、相手の不満や疑問への「答え」を前もって用意しておくこと。自分の商品・サービスについてよく学び、相手の話をしっかり聴いてニーズを引き出すことに集中できるよう、心の準備を整える。

手順2:自分のしゃべる時間を減らす

人は「話すこと」と「聞くこと」を同時にはできない。こちらが話しているうちは、何も売れなくて当然だ。

手順3:集中する

会話と相手のニーズに集中する。つまり「あなた個人」の問題や心配事は、今は頭から追い出そう。なかなか集中できない時もあるが、不可能ではない。それに、これができなければ成功は難しい。

手順4:相手の立場になる

相手の立場で考え、相手のニーズや気になっている点を理解しよう。相手の「視点」に立ち、どうすれば相手の問題を解決できるかを一緒に考えるのだ。

手順5:質問する

繰り返し言うが、営業におけるプレゼンでは「質問」をすることが大切だ。質問は、曖昧な箇所を確認できたり、相手のニーズを浮き彫りにするのにも役立つ。相手が気になっている点を口にしたら、それを別の言葉で言い換え、最後に「…といった理解で間違いないでしょうか?」とか、あるいは「おっしゃっていたのはこういうことでしょうか?」と確認を取ろう。こうして随時、話を正しい方へ軌道修正する。

手順6:話を遮らない

話の腰を折ることほど、相手の気持ちが離れる行為はない。相手の話を、自分の先入観でまとめてしまうのも同じことだ。「相手が何を言いたいか、自分は分かっている」などと思い込まないことだ(やってしまいそうな時は唇を噛んででもこらえなさい)。ちなみに、相手がいったん間を置いたからといって、話すのをやめたとは限らないので注意してほしい。

手順7:相手の考えを完璧に把握する

相手の不満や欲求は、何も「言葉だけ」に表れるとは限らない。

手順8:人に「反応」するのではなく、意見に「対応」する

イライラしたり、凹んだりしてはいけない。私たちは勘違いしがちだが、相手の不満や疑問は、あなた個人に向けられたものではないことがほとんどだ。相手の話し方などの癖に気を取られ、集中力を失くしてもいけない。

手順9:行間を読む

口に出さなかった「間」が、喋った内容と同じ重みを持つことは多い。含みや疑念、心配に対して敏感になろう。

手順10:相槌を打つ

真剣に話を聞いていることを伝えるために、時折「なるほど」や「お気持ちはよくわかります」「そうですよね」といった合いの手を挟むのだ。ただ、やり過ぎると、合いの手ではなく話の邪魔になってしまうので注意が必要だ。

声のイントネーションが成否を左右する

それから、電話での信頼関係を構築するために極めて重要なスキル…それは効果的な声のイントネーションだそうです。当たり前のように思うかもしれませんが、当たり前だから簡単なわけでありません。効果的なイントネーションとは、ただ声に抑揚をつけて、単調になるのを防ぐことだけではありません。見込み客を退屈させないためには、自分の声がどう聞こえるかを意識し、相手や状況に応じて、話し方そのものを適切に使い分ける必要があります。

例えば、テレアポでは「明るく積極的に」というのがセオリーですが、相手の抱えている問題や置かれている状況によっては、控え目に話した方がいい場合もあります。もし相手の声に元気がなかったら、こちらもトーンを少し落とすとか。相手がクライアントが、個人的なつながりを重視するタイプだったら、声のトーンをビジネスモードから、友人同士の会話に近い親しげなものに変える…などなど。

実際、私も先のテレアポで、電話に出た瞬間「あぁ、またか…」みたいな印象を持ったのは事実です。それは声のトーンが原因でした。なんか、合わなかったんですよね(苦笑)。まぁ詳しく学びたい方は、テレアポに関する本を1冊買って読んでみることをオススメします。習慣化する価値のあるスキルですから、磨いておけば役立つことがあると思いますから。

組み合わせることで成果は最大化する

ただ、テレアポのテクニックもそうですが、どんなスキルも「紹介」と組み合わせて使う方が上手くいく可能性は高いでしょう。紹介の代わりになるような技術は、おそらく存在しないのではないでしょうか。それから、相手の名刺を持っている場合、法人で相手の名前が分かる場合なんかは、電話後に手書きの礼状を送るだけで、その後の印象が全く変わってくると思いますよ。

PS
最近、USJを再生させた「現代最強のマーケター」と言われる森岡毅さんのオーディオブックを移動時間に聴くのですが…中でもこれはとても勉強になりました。自分が憧れる仕事って、そもそも向いてない可能性が高いとか。私もやらかしてる感あります(苦笑)自分のキャリアに悩んでる方、ぜひ聴いてみてください↓

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この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。