自分の恐怖を相対化する方法

FROM ボブ・バーグ

多くのビジネスパーソンは、紹介や口コミがビジネスにおいてすぐれた手法だと直感的に感じている。ここでの紹介をベースに仕事をするというのは、 人から人へと介することで新たな顧客を得られる可能性が高いそんな仕事のスタイルについてだ。

なぜ、多くの人は紹介を頼めないのか?

実際、口コミや紹介を介することで 仕事はもっと楽しく、また利益の出るものになる。ところが、そうだとわかっているのにどうして多くの人々をそういった「紹介」を進んで求めようとしないのだろうか?それには、根本的な理由として紹介を頼むことへの恐怖がある。

どれだけメリットがあるわかっていても その恐怖は克服しがたいものがある。それを実現するには「紹介」を 自分の仕事の一部にしなければならない。また 紹介を頼もうと思っていたのにそれを忘れてしまうこともある。なぜなら、人はしたくないことを都合よく忘れる生き物だ。

紹介依頼を阻む恐怖の正体とは?

というのも「商談はまとまって利益も得たわけだし、 ひとまずそれで十分だろう」と「紹介」を頼まなかった自分を正当化してしまいやすい。というもの、紹介を頼むことを恐れて紹介を得られなかったとしても、ある意味では目的を果たしているため満足しやすいからだ

ではその恐怖の正体を何か? その1つはNOと言われることへの恐怖だ。「紹介なんてしてくれないんじゃないか」 「もしも難色を示されたらどうしよう」だったりがそうだ。しかし、だれでもとは言わないまでも、 多くの人は拒絶されるのがいやなものだ。

そもそも、拒絶されることが恐いのは正常な反応だ。しかし、それを受け入れたうえで、それによって、より良く対処できないかを考えるのは必要なことをだ。とはいえ、仮にNOと言われたとしても それは最悪の事態ではない。

自分の恐怖を相対化する方法

これから紹介する考え方は 健全でないと感じる方もいるかもしれないが、どうかご容赦して欲しい。 あくまで見方を変えるためのものだ。

いわゆる発展途上国では 水を汲むために5マイルも歩く。さらに、歩いて水を汲みに来たあとで また歩かねばならない人たちがいる。なぜなら、そうしなければ家族に綺麗な水を与えられないからだ。

しかしそれでも完全にきれいな水を得ることは難しく、疫病を運ぶ蚊の類が近寄らないように、 網を張って寝なければいけない環境に置かれている。この世界ではそういった環境に置かれている人たちもいる。もっとひどい話だってたくさんある。

今あえて私がこの話をしているのはなぜかと言うと、そうした状況と比べたら「紹介を断られる」ことなんて 大したことではないだろう。もちろん当事者にとっては 大ごとかもしれない。しかし、別の見方をすればこのように「そこまで深刻なことではない」と捉えることもできる。

本当に最悪の事態と比較することで、自分の抱えている問題は相対的そうではないと考えられるようになる。

-PR-
自分を変えようとするときにこちらの点は要注意です…

この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。