FROM ボブ・バーグ
突然だが、「Canard(虚報)」という言葉をご存じだろうか? このCanardとは根拠がない話、あるいはうわさ的なものというべきもので、多くの場面で軽蔑的なニュアンスがあるものだ。
本日は1つこのCanardの例をご紹介したいと思う。
メラビアンの法則の誤解?
これはカリフォルニア大学のある心理学者にまつわる「Canard」になる。その心理学者の名前は、メラビアン・アルバート博士という人物であり、彼は『 Silence Messages(邦題:非言語コミュニケーション)』という著書もある。
そして、その本に書かれていることが一部、都合のいいように取り出されてしまっている。というのも、この本の「文脈」や「前後関係」を無視され、その内容が引用されてしまっているのだ。
これはいわゆる「メラビアンの法則」と呼ばれるものになる。一般的な言説は、人と人がコミュニケーションを図る際に「7%, 38%, 55%」の法則性があるとされる。
具体的に言えば、コミュ二ケーションにおいて7%を占めるのが言語情報であり、それ以外の言葉のトーンが38%。そして、ボディランゲージが55%を占めているというものなのだが…
この法則性が成り立つ前提とは?
ここからから「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」といった解釈が一人歩きをしてしまっている。しかし、解釈は全てのコミュニケーションに当てはまるものではない。
そもそも、この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験であった。研究者のメラビアン・アルバート博士によれば、相手が矛盾した内容のメッセージを送っている状況下において、上記3つの比率が成り立っていたというものになる。
例えば、言葉では「君は悪くなんかないよ!」と言っていても、口調や態度が「普段の語気がと違う」「目線を合わせない、浮かない表情」だとしたら、人はその言葉の内容よりも非言語の要素を重視する。まさに、先の法則性はこうした状況下を前提としたものになるものだ。
ちなみに、私の友人のジョン・デイビッド・マンもこれについてブログで思うところを述べている。この「メラビアンの法則」が成り立たないのはなぜか? それは既にお分かりの通りこの法則が成り立つ状況というのが 非常に限定的であるからだ。そう、私たちの周りにはこうした「Canard」が溢れている。
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私たちの仕事や働き方について知らされていなかったこの事実とは?↓