子供の自己肯定感が下がる原因

From 安永周平

最近、20代の若手や学生と話す機会が増えたのだが「Facebookをしていない」という人が多い。インスタやLINE、あるいはTwitterは息を吐くように使いこなしていても、Facebookは使ったことがないのだと。Facebookが”オジさんのSNS”と言われてるのは本当のようだ。個人的には「Facebookメッセンジャー」を仕事上の連絡手段としてかなり使っているので、それが使えないのは不便なんだけど…まぁLINEなど相手によって使い分ける必要を感じる今日この頃。

それはそうと、実名のFacebookでは匿名より安心だからか、同級生の近況を目にすることが多い。40歳にもなると子供が小学生、なんならもう中学生とか。なかなか難しい時期で色々と苦労も多いみたいだ。言うことを聞かない子供を叱ったり、褒めたり…またある時は励ましたり。もしかすると、子供というのは近い存在であるがゆえに、コミュニケーションが1番難しい相手なのかもしれない。

子供を褒める時の注意点

ところで、あなたが小・中学生のお子さんをお持ちなら、学校のテストの結果を見た時に、褒める事があると思うのだが…あなたの褒め方は、次のうちどちらに近いだろうか?

A:「わぁ、85点も取ったの!あなたは頭がいいわね。」
B:「わぁ、85点も取ったの!よく頑張ったわね。」

前者のAは「能力」を褒めて、後者のBは「努力」を褒めている。実は、この2つの褒め方では、後の子供の成長に与える影響がまるで違うものになるそうだ。というのも、スタンフォード大学の教授で心理学者の Carol Dweck博士の20年に及ぶ研究結果の中で、こんな報告がなされている。

2つのグループに分けられた子供たち

ある実験で、10代の少年少女を対象に2つのグループに分かれてもらった。そして、それぞれのグループに同じ学力テストを受けてもらった。テストの結果に対して、1つのグループは「能力」を褒めて、別のグループは「努力」を褒めた。

その次に、簡単な問題と難しい問題の2つの問題を提示し、いずれかを選んで取り組んでもらう事にした。すると、能力を褒められたグループは、多くが難しい方の問題を避けたのだ。

「能力」を褒められた子供はどうなる?

これは、能力を褒められた子供が、次も自分の能力を研究者に「示せる」ように簡単な問題を選んだということ。最初の問題は簡単に正解できるので、楽しむことができるが、問題が難しくなっていくと、自分の能力が示せなくなり、楽しむことができなくなる。それによって、自己肯定感が下がり、「自分はダメな人間だ」と考えるようになるのだ。

一方で、努力を褒められたグループは約90%が難しい方の問題を選んだ。つまり、努力することに喜びを感じ、学びが得られて、自分の能力を伸ばせる難しい問題にチャレンジしていくのだ。努力を褒められた子供たちは、自分の能力を伸ばすことに楽しみを覚えるようになるため、難しい問題でも挑戦するようになるというわけ。

子どもにとっての「成功」とは何か?

これは、彼らの「成功」の定義が…

前者(A):賢く見せること
後者(B):賢くなること

を意味するためだと考えられる。そして、今後の人生において、どちらが人として成長するだろうか?これは、改めて言うまでもないだろう。もしあなたがお子さんをお持ちで、学校のテスト結果を見せられたなら…ぜひ、能力ではなく「努力」に焦点を当ててみてはどうだろう?褒める対象が、能力か努力か…たったこれだけの違いで、子供の人生は大きく変わるかもしれない。

今すぐできる効果的な褒め方

ちなみに、子供に限らず、褒めることに関してはもう1つポイントがある。大人だって褒めることが効果的なケースは多いもの。たとえば、アポや商談の場においては、相手を褒めることでその場の雰囲気が打ち解け、本題を切り出しやすくなることはよくある。そんな時は、相手の「人格」を褒めるよりも、具体的な「行為」や「事実」を褒める方が効果的だ。

たとえば、「あなたは素晴らしい人だ」というより「あなたの言葉遣いは素晴らしい」と言うほうが効果的だということ。事実、累計著書が500万部を超える人間心理のエキスパート、レス・ギブリン氏によれば、相手の行為や事実を褒めると、褒め言葉が具体的になって、より誠実さが伝わると言う。また「何を褒められているか」が相手に明確に伝わるから、よりよい結果が得られるのだ。

人格を褒めると嘘っぽくなる…

逆に、ちょっと想像してみてほしい。「あなたは素晴らしい人だ」なんて、いきなり誰かから言われたら、ほとんどの人は違和感を覚えるし、決まりきった褒め言葉を言われているだけのように感じるはず。

しかし、具体的な事実を選んで褒めることによって、相手はそれを素直に受け入れることができて気分がよくなる。また、特定の行為を褒めると、褒められた人は、その行為をもっとしようと思うもの(※これは、先の子供のケースを見ればよくわかるだろう)。褒め言葉はその対象となる行為を強化する働きを持っていることも同時に覚えておきたい。

具体的な事実をどんどん褒めよう

相手の行為を褒めれば、その行為はどんどんよくなる。そして、相手の自尊心を高めることもできる。これは、勘違いや自惚れとは全く違う。こうした人を褒める習慣を持つことは、あなた自身の「あり方(人格)」にもいい影響をもたらす。

営業であれば、目指すべきはいつの時代も「この人から買いたい」と思われるような人格、人間力を磨くこと。だとしたら、こうした小さな行動を習慣にしていくことは、きっとあなたの仕事にもいい影響を及ぼすと思うが…さて、あなたはどう思うだろうか?

PS
そういえば、マネージャー時代に本間正人さんの社内研修を受けたことがあるのだけど、その時に紹介されたこちらの書籍は部下への声掛けに役立った。使う言葉で相手の反応や行動が変わることを体験すると「物は言いようだな」と改めて思ったものだ↓

 

この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社取締役。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で40年続く社員52名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。本業は「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」防災設備会社で事業承継を前提に組織改善と採用に奮闘中。