FROM ボブ・バーグ
信念体系とは主観的なものであり、いったん確立すると変えることが大変難しい。というのも、これらは無意識のレベルで機能しているからだ。つまり、ほとんどの人が知らず知らずのうちに思い込みをして決定を下しているのである。
この信念体系がコミュニケーションの妨げになるということを、あなたは既にご存知かもしれない。このことに関する私の大好きな例の一つは、6人の盲人とゾウについてのインドの寓話である。
6人の盲人と1匹のゾウ
この寓話は、6人が1人ずつゾウの体の異なる部分に触れ、そのわずかな情報をもとに6つの異なる結論に達したという話だ。19世紀のイギリスの詩人ジョン・ゴドフリー・サックスが、この寓話に改作して有名にしたものである。これが盲人たちのそれぞれの結論である…
1人目はゾウの脇腹に触って、「これは壁だ」と言った。
2人目は牙に触って、「そうじゃない、これは槍だ」と言った。
3人目は鼻に触って、「それは違う、これはヘビだ」と言った。
4人目はひざを触って、「いや、それも違う。これは木だ」と言った。
5人目は耳に触って、「全然違う。これはうちわだ」と言った。
6人目はしっぽに触って、「みんなデタラメだ。これは縄だ」と言った。
私たちがこの寓話から学ぶべきこと
広告の第一人者であるロイ・ウィリアムズは認識についてこのように言っている…
「認識の世界では、どの盲人も正しい。人を動かす努力の大半は、盲人が別の盲人に自分と同じ認識を持つように力説するようなものだ」。
というのも、私たちは自分の信念にもとづいて世の中を見るだけでなく、他のすべての人がまったく同じように世の中を見ることを期待している。これほど的確な分析はめったにないだろう。効果的でない説得の最大の原因を見事に要約している。
さらに、ウィリアムズはこうも指摘している。
「自分の家族、友人、同僚、顧客が独自の認識の中で暮らしているという現実をじっくり考えたことがあるだろうか。だとすれば、その人たちが自分と同じようにゾウを見ることを期待するのではなく、あなた自身がその人たちと同じようにゾウを見る努力をしたらどうだろう。辛抱強く努力を続ければ、やがて多種多様な捉え方でゾウが見えてくる。すると、その時彼らの認識が理解できるようになる…」
相手の「物の見方」を意識してみよう
ところで、彼は最後「そして、その時初めて傾聴に値する行為が為されるようになる」と結んでいる。
実にこれはその通りだ。自分の提案や主張を受け入れてほしいのなら、相手の認識にもとづいて現実を見なければならない。
絶えず、相手の認識に基づいて物事を見る練習をしよう。もちろん、それは簡単ではない。しかし、自分の物の見方と相手の物の見方についてたくさん学ぶことによって、どうすれば人を動かすことができるかがわかるようになるはずだ。
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