FROM ボブ・バーグ
2013年の12月5日、世界は偉大な人物を失った。彼の名はネルソン・マンデラ。南アフリカの元大統領であり、享年95歳だった。
私たちは南アフリカの”タタ”(父)たる彼の感動的な逸話の数々を知っているだろう。ましてや、ここで言葉を費す必要もないほどだ。
しかし、私が今回の投稿で議論したいことがある。それは、彼がその影響力を行使しえた5つの原則についてだ。敵対する人々ですら尊敬の念を抱かせるほど人物だった彼の生き様から私たちが学ぶべきことは多いだろう。
では、彼はどのようにその影響力を行使できたのであろうか?さっそくではあるが、順を追ってみていこう。
影響力を行使しうる5つの原則とは?
1.自分の感情をコントロールすること
彼は若くして南アフリカで白人が黒人を差別していたアパルトヘイト(人種隔離政策)政策を撤廃を求め、運動に身を投じることになる。
しかし、彼は政府から国家反逆罪という不等な判決を受ける。この判決により彼は27年間もの尊い時間を獄中で過ごすことを余儀無くされる。その後、世間や世界からの釈放を求める声によってようやく釈放された。
当然のことだが、彼はあらゆる憎悪を抱き、あらゆる媒体に対してこの不等な扱いに対して激しい怒りを表現してもよい機会があったはずだ。
しかし、彼はそのような選択はしなかった。その代わりに彼は、黒人の平等を重んじる人々とともに歩む偉大なリーダーとして生きることを選択した。しかも、彼は白人を打ちのめすのではなく、黒人と白人が共生できる国家の在り方を模索したのである。
2.お互いの信念の違いを理解すること
こうした国家の在り方を考えていくうえで、交渉は難航した。なぜなら、白人の権利を主張する人々と黒人の平等を唱えるマンデラとは確かに異なる信念体系を持ってからだ。
彼は白人たちの人種差別的な考え方には同意することはなかったがその考え方があること自体を理解していた。
このように白人と黒人には根本的な考え方の違いが生じていることを理解したうえで、彼はこの難問を克服できるよう最大限の努力を払うことにしたのである。
3.相手のプライドを尊重すること
そして、彼は賢明だったのは、相手の人種差別的な考え方を変えようと努力したが、それが途中で無駄であることに気づいたことである。そこからは彼は対立関係にある白人のプライドを尊重したうえで対話にのぞむことにした。
ゆえに、彼は考え方が異なることを理由に相手に対して侮辱や罵倒することはしなかった。こうした彼の配慮がなければ、今日の私たちが教科書などで知る人種間の和解・協調へとつながることはなかっただろう。
4.適切なフレームワークを持つこと
今回のような白人と黒人の問題の場合では、白人側が適切なフレームワーク(思考の枠組み)を持つことが非常に難しかったことも事実である。
例えば、”黒人と白人が一緒になるとトラブルが起きやすいので、お互いの平和のためにも黒人と白人を分けましょう”といったアパルトヘイトを当たり前だと思っているような白人の信念の中で適切なフレームワークを再設定することは困難を強いられた。
しかし、彼は先ほども述べたようにお互いが理解し、尊重をすることをめざすうえで相手のフレームワークを再設定するために心を砕いた。
5.共感を示して気配りを心がけること
しかも、彼には特筆すべき政治的なスタイルがあった。それは、相手の政治的弱みを見抜きながらも、それを攻撃するのではなく受け入れやすい提案を行っていくことをしていた。これにより政敵からも理解や信頼を得ていたうえに、敵対関係である白人たちを味方どころか彼の支持者すら変えていった。
こうした影響力を行使しえた結果、最終的に彼は全民族融和の象徴として、南アフリカの新大統領に迎えられることとなる。
ネルソン・マンデラに学ぶ影響力
さて、ここまで彼の影響力について5つの原則を学んだ。加えて、彼の壮絶な生き様は私たちにとっても強いメッセージとして与えられることだろう。そして、私たちは、彼の偉大な魂と英智を決して忘れてはならないだろう。
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