ご報告:家業の社長に就任しました

From 安永周平

ちょっと報告が遅くなってしまったのだけど…11月1日付けで、家業である寿防災工業株式会社の代表取締役社長に就任した。弊社は10月決算、これより43期目に入る。42年前にたった1人で会社を起した創業者の親父をはじめ、これまで社長をしていただいた先輩方に敬意を払いつつ、これから社員と一緒に新たな寿防災グループをつくっていこうと思う。社員はグループ全体で53名、立場や責任も重くなるが自らの成長の機会でもある。

火災から命を守る「防災設備」という私たちの生活になくてはならない社会インフラを整備することで”街づくり”に貢献する。その仕事を担う「消防設備士」の年収(市場価値)を上げるモデルケースとなる会社組織をつくる。それも前時代的な働き方をすることなく。そしてこれまでのように売上や社員数だけでなく、組織の「対応力」で他社を圧倒する防災設備会社を二代目として実現していく。それが私の役割だと思っている。

現場のリアルに基づく内容を届けたい

このメルマガ『THE GO-GIVER』を運営する寿コミュニケーションズ株式会社の代表取締役も続投(兼任)になるが、引き続き「自ら行動して価値を生み、価値で相手の期待を超えよ」というコンセプトのもとであなたの仕事に役立つ内容を配信していければと思っている。なんせ建設業(設備会社)の社長として配信することになる。フワフワした自己啓発ではなく、現場のリアル漂う屁理屈ナシの内容をお届けできればと思う。

ということで、いつもメルマガを読んでいただいているあなたをはじめ、色んな方にこれまで以上にお世話になるかと思うけど…それ以上の価値を社会に提供できるよう精進していくので引き続き当メルマガをよろしくお願い申し上げたい。もちろんボブや河合さんのメルマガは安永のそれ以上に役立つだろうから、引き続きあなたの仕事に活かしてもらえれば嬉しく思う。

社長になって改めて思ったこと

ところで、社長になって改めて大事だと思うことがいくつかある。その1つが「相談相手を間違えないこと」だ。相談相手を間違えると意思決定を間違う可能性がある。これは組織のトップである社長にとって致命的だ。自分だけ損するのならいい。しかし、トップが間違うと社員をはじめお客さんや取引先など様々な方面に被害が波及する恐れがある。100%間違わないのは不可能だが、この事実は認識しておなかければならない。

じゃあ何に気をつけるのか?1つは、プロを装う素人には相談しないことだ。世の中には、さしてその分野の経験がないのにプロであるかのように振る舞う人がいる。私が今まさに経験している「事業承継」は特に注意が必要だと感じている。この分野は、どんなに優秀であっても全てのパターンにたった1人で対応できるプロなどいない…というのが私の実感だ。財務は財務、会社法は会社法など、各分野のプロがチームを組んで進めるのがベストだ。

たとえば、税理士は一般的な税務や経理には詳しいが財務は素人かもしれない。「これまでの実績をどのように扱うか?」という過去の話は得意でも「会社の未来を見据え、どのタイミングでどのような戦略を取るか?」といった未来の話を提案してくることは少ない。もちろん両方に強い人もいるが、少数派だ。だとしたら、会社の未来を考えるにあたって相談する時の適任は誰かはよく考えて決める必要がある。自分から情報を取りに行くことは大前提だ。

相手は”本当のこと”を言ってるか?

ここでもう1つ注意したいのは、相手の心理だ。というのも、ある分野でプロを張っている人が、その関連分野について「この分野は素人です」とは言わないことが多い。先の例で言えば、税務のプロである税理士は、財務や相続について「わかりません」とはあまり言わない。なぜか?それは、関連分野は素人だと言うことで自分の権威が失墜することを恐れるからだ(個人的には「この分野は専門ではないので詳しい方をご紹介します」と言ってくれる人の方がずっと信用できる)

だとすればどうするか?これは見抜くしかない。相手をよく知り、観察し、相手の目を見てその人が本当のことを言ってるかどうかを見極めるしかないのだ。加えて「利害関係がある人からの助言」は、相手が不利になる提案はほぼ出てこないと知っておく。営業でも余程のことがない限り”自分が損をする提案”はしないことを考えればわかるはず。たとえ個人負担が発生しても「フラットな立場の有識者」にお金を払って助言をもらう方が、結果としてよい方向に動くケースが多い。

誤解のないように言っておくと、相手にも自分にもメリットがあるWin-Winの提案は普通にある(私たちもこれを目指している)。そして相手が得して自分が損するWin-Loseも普通にある。後者の罠にハマらないように人を見る目を養う必要がある、という話だ(特に初めて会う人に対しては)。これは一朝一夕で身につくものではないが、社長をはじめリーダーの立場にいる方は避けて通れないところではないだろうか。帝国データバンクや東京商工リサーチなど、必要に応じてリサーチを行いデータを活用するのも大切だ。

性善説でいきたいのはわかる。しかし…

もちろん性善説でいきたいのは分かる。GIVERを目指すあなたは特にそうだろう。人を疑うのはとにかく疲れるし、確認などで間接コストが上がりスピードも落ちる(Googleの社内はスーパー性善説で仕事が動くらしい)それに「信じるのは簡単なこと 疑うよりも気持ちがいい」みたいな歌詞もあった。しかし、それでもあなたがリーダーの立場にいるのなら、あなたの判断がメンバーの未来を左右することを忘れてはならない。

信じるな、疑うな、確かめよ」という言葉がある。戦後、日本にヨガを普及させた先駆者で沖ヨガの創始者、沖正弘氏の言葉として私は認識しているが、リーダーとなる人はこれをやらなければならない。「いやいや自分はリーダじゃない…」と思うかも知れない。しかし、ボブが言っていたようにセールスマンシップとはリーダーシップである。お客さんに対してリーダーシップを発揮する必要がある。

大切な人のためにも人を見る目を養う

あなたが提案するものが本当にお客さんのためになるか?その判断を間違えれば、あなたは相手に迷惑をかけることになる。自分に嘘をついて相手に粗悪なものを売りつけるのは論外だが、自分が気付かないことで相手に実害をもたらすのも避けなければならない。だからこそ、繰り返しになるが人を見る目を養おう。このことから逃げないでいよう。最初から疑ってかかろう、という話ではない。自らの責任において行動し確かめる。それがリーダーの責務であると私は思っている。それでは、今週も頑張っていこう。

PS
特に社長が人を見る目を養うには、人間の汚い部分にも目を向けなければならない。これ1冊で完璧…なんて話ではないが、この本はストーリー形式でわかりやすく私には非常に役立つ1冊となった↓

この記事の執筆者

寿コミュニケーションズ株式会社代表取締役/寿防災工業株式会社代表取締役社長。読者1万人超の当メルマガ『THE GO-GIVER』発行人であり、福岡で42年続く社員53名の防災設備会社 二代目。1982年生まれ。福岡県出身。筑紫丘高校→九州大学工学部卒(修士)

新卒でトヨタ自動車に入りマークXやクラウンのモデルチェンジ、バンパー塗装工場の新設を担当。4年目で退職し半年のニートを経て教育ベンチャーのダイレクト出版へ転職。1通のセールスコピーで累計2万人超の新規顧客を獲得したマーケティング経験は宝。マネージャーとなりメンバーから総スカン喰らった経験も宝。事業部が年商7億となった5年目、独立して寿コミュニケーションズを創業。

WEBメディア事業のお客様からの依頼でDMサポート事業を始めたら、紹介だけで受け切れないほど仕事依頼があり、現在は新規クライアント受付停止中。BtoB無形商材に特化したDM戦略&戦術が強い。「人の命と建物を火災から守り地域の街づくりに貢献する」寿防災工業株式会社で2022年11月1日、代表取締役社長に就任。