商談相手から反論が出たら?

FROM ボブ・バーグ

「客の反論を克服せよ」という言葉は よく知られ、教えられる概念だ。実際、販売を成功させるうえでお客様の疑念や反論はどうしても生じるものでもある。

反論に応戦するのがマズい決定的な理由

ところで、”convince(納得させる) “という言葉の語源 「convincere」は「打ち負かす、征服する」という意味を持つ。となれば「相手に納得させること」の本質は 対立や争いを前提としたにニュアンスを含んでいる。

そのうえで「反論を克服せよ」という考え方は相手を打ち負かそうとするに等しい。しかし、そのような感じを受けた人は不快に思い、臨戦態勢を整えるだろう そして、その戦いに営業が勝利することはない。

相手が購入したくない真意は何か?

であれば、反論に応戦するのをやめよう。 まずは、その反論の根っこを探ることが必要になる。言い換えれば、相手が購入したくないと思わせているその正体を明らかにすべきだ。

とはいえ、「あなたから買わないことにしました」と 相手から面と向かって言われることはないだろう。大抵の場合、相手は濁した表現を選ぶはずだ。それは「お金がない」「値段が高すぎる」 なんてものかもしれない。

あるいは「〜と相談しなければ」「やりたいと思うんですが 、〜まで待つ必要がある」などが挙げられるだろう。とりあえず、今回は「あなたの価格が高すぎる」という事例で少し視座を上げるお話をしよう。

なぜ「値段が高い」と思われるのか?

ところで、この「高い」とは「支払うものとその提供される価値が見合わない」 そう相手に思われていることに他ならない。これこそ本質だ。

そもそも、相手が支払うものはお金(価格)だけではない。時間、機会損失、起こりえる状況の悪化、 恐怖、あらゆる認識できるコストも含まれる。これらが天秤にかけられ、受け取る価値よりも 支払うものが大きい限り買ってはもらえない。

さて、私の親友でありセールスの権威であるアート・ソブザックはその著書で 彼のメンターから授かった鋭い洞察をシェアしている。それは…

「価格に不満などない。価値に疑問があるだけだ」

そう、価格ではなく価値なのだ。単なる反論の説得に終始し、 その奥にある原因を深掘りしないようであれば、まるで怪我をした時に傷口をきれいにせずに包帯や絆創膏を貼るようなものだ。

つまり、根本的な原因を突き止める必要がある。それを踏まえれば、様々な反論に対する画一的な反論対応は長期的にはあまり役に立たない。また、 察しのいいあなたならお分かりの通り、短期的にも役に立たないのだ。

まとめよう。反論は克服するものではない。しかし、それをうまく対応していくためには次の2点に集中することが重要だ。 1つは、反論の真の根源に迫っていくこと。

もう1つは、敬意、優しさ、忍耐、機転、共感。持ちうる限りの資質を発揮して誠実に対応することだ。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。