部下の成長を促す3つの要素

FROM ボブ・バーグ

ロチェスター大学のエドワード デシ教授とリチャード ライアン教授らは、自己決定理論(Self-determination theory(SDT))と呼ばれる概念を提唱した。自己決定理論とは、人の成長において、報酬や罰といった「外部的」な動機づけではなく、自発的に行動する「内発的」な動機づけのプロセスを研究したものになる。

そのうえで、内的な動機づけには次の3つの欲求が必要になる。それは…

1.自律性、2.有能性、関連性

というものだ。もしも仕事においてリーダーがメンバー対して、上記の3つの欲求を満たしてあげれれば、行動に対するモチベーションは高くなる。すると、効率も生産性も幸福度も高くなる。

さて、それぞれを解説しよう。「自律性」は自己の行動を自分自身で決めたいという欲求。「有能さ」は自分には能力があると感じたいという欲求。「関係性」は周囲との関係に対する欲求になる。

3つの欲求の中でも「自律性」が最も重要視されている。やはり、人は自分の人生と運命をコントロールしたいものだ。例えば、社会においてもそうだろう。命の危険があっても不自由な国から自由な国へと移動する人々が後を絶たないことはそれを示している。これは人間の本質的なものだ。

メンバーから足を引っ張られる残念なリーダーシップ

とはいえ、リーダーがこの基本的な真実を見逃しているものだ。むしろ、それに反してルールや規制ばかりになっている。そうなると、メンバーから最高の貢献が得られることはほとんどない。せいぜい言われたことをやるくらいだ。ひどい場合だと、敵対関係になるかもしれない。

一方、リーダーがデシ教授とライアン教授が提案したこの3つの欲求を満たすように、メンバーを導けば、最高の貢献が得られるようになる。これについて、私のメンターであり友人でもあるリーダーシップ・メンタリングの権威,ドンディ・スキュマチも同じ意見だ。

彼女は地位や権限によって強制したり、縛りつけては相手から素晴らしい協力や支援が得られないことを諭している。実際、彼女はこうも言っている。

「相手に自発的に動いてもらえた時、ただ、言うことを聞かせているだけでは決して辿り着けない場所にいくことができるでしょう」

本当の影響力とは「押す」のではなく「引く」ことだ。「押す」とは、地位や権限よって、相手を無理矢理に従わせる。しかし、これだと自ら自分の行動を決めたいという自律性を損ってしまう。

一方、「引く」とはそうでない影響力だ。これによって、相手が自発的に動いてくれるようになる。それも期待した以上の貢献だ。もしもあなたが人を導く立場にあるのであれば、どのような影響力を行使しているだろうか?

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。