お客さまからの質問には答えない

FROM 河合克仁

おはようございます!初出版、”世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業”からちょうど4年が経って、感慨深いなぁ、と振り返っていた河合克仁です。

この出版がなければ、このメルマガの執筆にもたどり着かなかったり、あなたにメッセージを届けることもなかったと思うと、一期一会の大切さに、改めて感謝の想いが湧き上がってきます。本当にありがとうございます!

今日は営業場面における、お客さまとのコミュニケーションについて伝えていきます!今日のメルマガタイトルを読んだ方は、「えっ、営業で質問に答えないってどういうこと!?」と、頭が「?」でいっぱいになったのではないでしょうか。これからタイトルの真意をお伝えしていきますね。

ママは質問の答えを期待していない

いきなり何のことかと思ったかもしれませんが、まずは一つ例え話をさせてください。ある家庭の日曜日の夜。夕食を食べ終えて、そろそろお風呂に入る時間。にも関わらず、小学2年生の娘は明日の学校の準備どころか、宿題もまだ終わっていない。食事を食べ終わってから、1度ママからはこのように言われています。

「そろそろYouTube消して、宿題やりなさいよ」。そんな声がけに娘は、「は〜い、、。」と気のない返事。2、3分時間が過ぎても、まだ画面を閉じる様子もない。その後、間髪入れずにママが強い口調でこう質問します。「何時だと思ってるの!?(怒)」。「ちょうど終わろうとしたところだよ、、。」と娘はしぶしぶ画面を閉じて宿題を広げました。

このような光景は、どこの家庭でも一度や二度あるのではないでしょうか。(河合家は、、、2度では決して終わっていません涙)もしこの状況で娘が、「今は20時45分だよ」とママの質問に答えていれば、娘はさらにママに怒られることでしょう。ちゃんと質問に答えたにも関わらず(苦笑)。

まさかお客さまの質問に答えてませんよね!?

話が逸れました(笑)。営業の話に戻しましょう。あなたはお客さまから様々な質問を受けていると思います。値段や効果やメリット、デメリット、商品やサービスの活用方法など多岐にわたることでしょう。もちろん、その質問に答えることが求められることもありますが。ですが、ここで改めて先ほどの娘とお母さんの会話を思い出してもらいたいんです。

先程、ママは「何時だと思ってるの!?」という言葉で、”早く宿題をしてほしい”ということを娘に伝えていました。このように、言葉とママが本当に伝えたいこと(真意)は異なっていました。営業でも同じです。お客さまの質問とお客さまが本当に感じていることは異なっていることが多いのです。

普通、反射的にお客さまの質問に答えがちですが、今一度、あなた自身に問いかけてもらいたいんです。”お客さまはどんな気持ちでその質問をしたんだろうか?”と。

「どこにいる?」という質問の答えは”【近く】にいます!”

では、ここで想像してください。夕方、そろそろオフィスを出ようかなとしている時に携帯が鳴りました。あっ、M社長から電話だ。電話に出ると開口一番、こう仰いました。”○○さん(←あなたの名前)、今どこにいる?”

あなたならこの質問にどう答えますか?反射的に”今オフィスです!”と言われるかもしれませんが、次回からはこう答えて下さい。”近くにいます!”と。M社長はなぜ今、このタイミングで電話をしたのでしょうか。このとき、僕は質問に対する背景を想像して、次に来る質問を予測し、その質問に答えることはいかがでしょうか。

M社長は、あなたを食事に誘おうと電話したのではないか?
M社長は、今誰かと一緒にいてその人をあなたに紹介しようとしているのか?
M社長社長は、あなたのオフィスの近くにいて、もしかしたら寄っていく(会いたい)と思っているのか?

このように、たくさんの理由や動機が推測できますよね。M社長は”今から会える?”という思いを元に、”今どこにいる?”という言葉を使っているんです。あなたに、いきなり”今から来れる?”と、あなたに言うことははばかられる。でも、”どうかな、時間あるかな?”という思いも込めて質問をしています。

そこまで想像力を働かせた上で答えることができるか?

お客さまの心情を推測する。もちろん、外れることもあるでしょう。それでも、推測し、その推測に基づいて答える。そのようなことを繰り返すことで、きっとお客さまの心情がどんどんイメージできるようになっていきます。

”おいくらですか?”は、”買うことに興味があります”。
”今はまだ決められません”は、”あなたの商品のメリットがまだ分かりません”。です。

文脈によってもちろん変わりますが、このようなお客さまの真の気持ちを汲み取って行動することと、ただただ質問に答えるのでは、天と地ほどの成果の違いを生み出します。

【お客さまはその質問の背景に何を思っているのか?】

改めて、次回の商談から、あなた自身が自分に問いかけてみてください。そして、自分なりの仮説を立ててお客さまに対応してみてはいかがでしょうか。

追伸:
また来月も梅田 蔦屋書店のイベントに登壇することになりそうです!こうやって継続的にお声がけいただけることは、本当にありがたいことです。2022年もあっという間に残り3週間ちょっと。終わり良ければすべて良し、ということでやり残しなく過ごせる師走を駆け抜けていきましょう!

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この記事の執筆者

1982年生まれ。愛知県豊橋市出身。時習館高等学校から筑波大学体育専門学群へ進学。陸上競技からアイススケート部(スピードスケート)へ転身し、キャプテンを務め、国体へ出場。全国国公立大学対抗戦では総合優勝を果たす。

卒業後、人材教育コンサルティング会社へ就職。第二創業期だった社内で頭角を現し、5件の新規契約を50週連続という、現在でも破られない実績を打ち立てる(歴代営業記録を6倍更新)。2014年に独立し、2015年に株式会社アクティビスタを設立。

”みらいをつくるきょういく”をテーマに、人材採用と育成支援というテーマで、子供から経営者まで幅広い層を対象にした事業を展開。現在、筑波大学にて、キャリアデザイン担当の非常勤講師、内閣府、地方創生推進事務局拝命の地域活性化伝道師も務める。