FROM ボブ・バーグ
かの有名なデール・カーネギーは、かつてその著書の中でこう言っている。それは…
「人間を相手にするときは、人間が論理的な生き物でなく感情的な生き物であることを忘れるな」
というものである。さて、人間が感情的な生き物であると聞いて、本当にそうなんだろうかと思われる方もいるかもしれない。少なくとも私自身も、できるだけ論理的に意思決定を下すようにしてきたつもりだ。しかし実際のところ、私自身も知らず知らずのうちに数々の感情的な意思決定をおこない、あとで振り返ってみたときに「いや、あれは間違いなく合理的な判断だった」なんて後付けで理屈付けしているだけにすぎないものだ。
私たちは大小さまざまなことについて感情的に判断をして、それに都合のいい理屈を考えるものだ。つまり、合理的な嘘を作り上げ、自分の感情的な判断を正当化している。ただ、それ自体が悪いと言っている訳でない。しかし、それこそが人間の本質なのだ。最も重要なのは、人間がそういう判断をする生き物であることを認識しているかどうか、ということに他ならない。
もちろん、感情自体が悪いというわけではない。感情は、人生において重要なものである。私が申し上げたいのは、感情というものが私たちの意志決定にどのような影響を及ぼしているのかについて、まずは気付くことが大切だということだ。感情が意志決定に大きな影響を与えていることをしっかり認識していれば、感情が私たちに何らかの欲求を生み出した時、そこでいったん立ち止まって、その欲求を受け入れてよいものかどうかを考える余地が生まれる。
感情の持つ力を活用するには?
そしてもう1つ、感情の持つ影響力の大きさに気付いたなら、感情にコントロールされるのではなく自分がその感情をコントロールできるようになるべきだ。感情を、自分の「主人」ではなく自分の「使用人」にすることでもある。これは、プライベートにおいても仕事においてもとても重要になる。
感情を制御できるようになれば、自分にとっても周りの人間にとっても最適な判断ができるようになる。しかし、逆に感情に流されたり振り回されたりという状態で意志決定をおこなってしまえば、その結果はおよそ幸福とは遠い、ときには真逆の結果に結びついてしまいやすいものだ。私の友人でありメンターでもあるドンディ・スキュマチ氏もこう言っている。
「どんなときでも、感情と連れ添っていきましょう。ただし感情という名の車を運転するのはあなたの役目です」
この言葉はとても本質を突いている。車というものは私たちの望む場所までを連れていってくれる。一方でその利器が暴走すれば目的地にいけないばかりか人を傷つけることもある。鍵となるのは、この車のハンドルを感情が握らないことであり、あなたが自身がそのハンドルを握ることにある。
このように感情は非常に重要であり、よくも悪くもその力はとても絶大だ。繰り返しになるが、仕事もプライベートも含めた人生において重要な位置を占める。だからこそ、ドンディ・スキュマチの述べるように感情に運転させてならない。より遠くいきたいならば自分自身が運転すべきである。
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