なぜあの人は謝ることができないのか?

FROM ボブ・バーグ

周知の通り、私たち人間は間違いを犯す。もちろん、そのことを後悔し、学び、ひいては取り戻そうとすることは重要だ。けれども、それよりも大事なことがある。それは「謝罪する」ことだ。

自らの非を認め、謝ること。これは私たちができる力強い行為の1つだ。謝罪することは相手の傷を癒すだけでなく、ひいては自分をも癒す力もある。しかしながら、多くの人は謝ることができないでいたりする。その理由は、謝ることは弱さであると考える人がいるからだ。

謝ることは弱いこと?

とりわけ、私は「謝ることが弱さである」という考えには同意できない。むしろ、自らの非を認め、謝ることは強い者の証だ。そう、謝罪とは人間的な強さを持つ人だけが他者に与えられる贈り物ですらある。

先日、ある男性からお手紙が届いた。内容としては、私たちが開催したオンラインイベントにインターネットの不具合で欠席してしまい、残念に思っているというものだった。私はこのお手紙に対して次のような返信した。

それは、「あなたにそのような思いをさせたことをとても申し訳なく思っているともに、次回のイベントにはぜひ参加してほしい」というものだった。すると、彼はさらに返事をくれ、私の気遣いへの感謝ともに次のようなアドバイスをくれた。「そんなに謝るのは良くないですよ」と。

なぜ男性はそのように言ったのか?

ところで、私はいつも謝罪をしている。それは何かの手違い誰かを怒らせた場合だったり、悪い結果を招くような可能性がなどがそれにあたる。さらに、上記のように誰かを動揺させることが起こった場合にも謝罪をしている。

そう、たとえそれが私のせいでなかったとしても。とはいえ、それに対して責任を取っているわけではない。(もちろん、私が責任を取る必要があるものは別の話だ)しかし、私の関わりによってそうした生じたことがならば申し訳なく思う。それはそれ以上でも以下でもない。

とはいえ、私は「なんでもかんでも申し訳ないと思いなさい」とか「必要以上に謝罪しなさい」と言っているわけでない。ただ、多くの人は「そんなに謝るのは良くないですよ」とまで言うのだろうか。

謝ることは人としての強さの証

かつて、ガンジーはこのように言った。「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ」私は「謝る能力」もまたガンジーが言った「許す能力」と同じような強さだと思う。

だからこそ、謝るべき場合には、いつでも「謝ること」を自分に許可してあげよう。もちろん、不適切な場合はそうではない。適切な場合はいつでも進んで実行しよう。そう、他人を尊重し、 自分を尊重できる人は、適切なときにいつでも「ごめんなさい」と言えるのだから。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。