部下に任せられない人の特徴

FROM ボブ・バーグ

私の友人の1人であるフレッド・ダンハウザーは起業家に財務的なサポートをする会社FocusCFOはエリア プレジデントでもある。そんな彼がこんな話をしてくれた。


「私が初めて上司の立場になったとき、上司に何に注力すべきか尋ねました。すると、上司の答えは「給料をもらうことに罪悪感を感じるくらい部下に仕事を任せればいい」というものでした。この助言のおかげで、私は部下と素晴らしい関係をスタートすることができました」

相手を信頼し、任せることの恩恵

相手を信頼し、託すこと。これには計り知れない力がある。結局のところ、私たちの時間、知識、知恵、エネルギーなどには限りがある。そう、自分ができることは限られているものだ。「自分1人ですれば早い」と良かれと思ってやっているかもしれないが、それは部下の成長を摘み、全体の利益を損なっている。

部下に任せることを学べば、関係者全員にとって(フレッドが専門としている財務の面においても)素晴らしい影響があるだろう。しかし、多くの人がそのことを理解している一方、容易なことではないことも知っている。

ところで、相手に任せ過ぎて問題は起きないだろうか?結論から言えば、問題が起こる可能性もある。実際、私は起業したての頃のメンターからの次の助言を忘れることができない。それは…

「他人に任せてもいいけれども、放棄してはならない」

というものになる。まだ若かった私はこの賢明な助言を全く聞いていなかった。早速、1つ目の間違いは、営業やマーケティング、一般的な業務は他人に任せるどころか、当時の私は細かく管理することにこだわっていた。そう、助言の前半にあるように他人に任せていなかった。

2つ目の間違いは、特定の業務に関しては任せるどころか放棄していたことだ。私は財務的な面は苦手としていたので、他人に一切のことを任せていた。しかし、それが問題だった。結局、その担当者は私の会社のお金を横領していたことが後になって発覚した。

そう、私はお金を盗むような人に財務業務を委ねていたのだ。しかし問題は、任せるというより放棄していたからこそ、起きた出来事だった。改めて、メンターの助言をしっかりと聞き入れていればと思う痛い代償だった。

人に任せることの重要さとその責任

繰り返しになるが、任せることは自分やチームメンバーにとって素晴らしい結果を生み出すことができる。しかしながら、あくまでも任せるのであって、放棄してしまってはならない。

ぜひ、自分のビジネスのやり方を見直し、どこがうまくいっているか、あるいはどこがうまくいっていないかを自問してみて欲しい。もしもうまくいっていない部分があれば、それは誰かの力を借りてもいいだろう。だが、くれぐれも私が犯したような失敗をしないでほしい。

繰り返しになるが、他人に任せてもいいが、放棄してはならない。

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既に営業のアポイントがある方は次のような点に注意です…

この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。