熱心な営業が罹る2つの病

FROM ボブ・バーグ

地球上で最も誤解されている概念の1つは「セールス」だろう。もし仮に生命が他の惑星に存在し、そこでビジネスが営まれていたら、おそらくそこでも誤解されている概念かもしれない。

多くの人が抱くセールスの誤解

ところで、ジョン・ディビッド・マンと私の共著『Go-Givers Sell More』(日本では未発売)では、こうしたセールスの誤解について触れている。例えば、「セールス」とは、あれこれ説得して無理矢理に買わせたり、他人を利用することだなんて誤解されている。

また、営業とは情報提供することだと思っている人もいる。これも誤解だ。ネットが普及した昨今、相手はそうした情報に自由にアクセスできる状況にある。もはや、台本を覚えて暗唱できるようになるなんてことは必要ではない。本当のセールスはこうしたものとは異なる。

書籍の中で、セールスとは”人により多くの価値を与えること”であると示唆している。この「価値」とは相手の人生がどのようにより良くなるのか?ということだ。より詳しく言えば、相手のニーズ・欲求・願望を満たすこと。あるいは、相手の問題を解決・解消することになる。

あなたとの取引でその人の人生は良い状態になれるか?

つまるところ、その人はあなたと出会ったことで、出会う前よりも幸せになれたか、だ。ただ、察しの通りこれは口で言うほど簡単ではない。さらに、熱心な人ほど次の2つの問題に陥りがちだ。

1.私たちは自分の扱う商品・サービスに恋をしてしまっている。さらに、他の誰もがきっとこの商品・サービスを気に入ると思っている

2.私たちは何より自分自分が可愛いと思っている。知識が豊富が専門性も高いこと。このことにも恋してしまっている。

熱心な営業が罹る2つの病を克服するには?

もちろん、あなたが扱っている商品・サービス素晴らしいことは本当かもしれない。きっと、知識や専門性も優れていることだろう。しかし、顧客やクライアントになる人はそのどちらも気にしていないものだ。

彼らが気にしていることは自分のニーズ・欲求・願望を満たしてくれること。あるいは、自分の問題を解決・解消することだ。つまり、自分のことではなく、相手のことなのだ。そう「価値は常に見る人の目に宿る」とよく言われるが、相手がどうかなのだ。

価値を与えること。これこそがセールスの本質だ。ただし、その価値は自分本位ではなく、相手本位であるべきだ。常にこのことを心に留めておけば、問題は無くなっていくだろう。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。