情熱があれば必ず上手くいく?

FROM ボブ・バーグ

「自分の情熱に従えば、自然とお金は入ってくる」

…そんな考え方がある。確かに、そうした考え方はとても魅力的でワクワクする。ただ、それは本当だろうか?

情熱があれば必ず上手くいく?

これはある種、広く受け入れられていることわざのようなものだ。ただ、私なりの見解で言えば、これは誤りではないものの、完全に真実だとは言えないと思う。より正確に言えば「未完成」だ。

それはなぜか?情熱があることは裏を返せば、得意なこともでもある。(常にではないが、大抵そうしたケースが多いものだ。)ただ、見逃されがちなのは、どうしてもその要素だけでは生計が立てられるとは限らない。そう、情熱があるだけでは難しいのだ。

情熱だけでは上手くいかない理由

そう、重要なのはそこに市場があることだ。言い換えれば、自分が情熱を注いでいることに対して、お金を払いたいと思ってくれる人々がいるかどうかが鍵になる。そうした市場は創出すべき場合もあるし、既にある場合もある。

言葉を選ばなければ、市場がなかったり、市場に対して上手にアプローチできない好きなこと・得意なことは単なる「趣味」だと言えるだろう。もちろん、趣味それ自体は素晴らしいものだ。ただ、このテーマの論点は少しズレることを理解して欲しい。

とはいえ、もしも自分が情熱を注いでいることで生計を立てられるなら、素晴らしいことだ。仕事が楽しくて、充実していて、経済的に潤っている…これほど良いことはないだろう。しかし、ここ10年ほどで別の考え方も出来てきた。

仕事に情熱がない悩む人へ

それは目の前のことをしっかりと取り組んでいる人も、いずれ情熱を持つようになることだ。言い換えれば、はじめは情熱を持っていないかもしれない。けれども、ひたむきに仕事に取り組んでいると、どんどん内容を覚え、有能になっていく。それが楽しくなり、好きになっていく。結果として、その仕事に情熱を持つこともある。

もちろん、多くのお金を稼ぐために、情熱に従う必要がないことも事実だ。実際、好きでも嫌いでもない仕事によって経済的に成功している人は多くいる。けれども、情熱を持っていない人は次第にそのことに疑問を抱くようになる。

幸福なキャリアを歩むために知っておくべきこと

持続的にビジネス成長させている方々に尋ねると、一様に彼らは自分の仕事を「愛して」いる。さらには、その愛から大きな「目的」を持っている。もちろん、情熱がないものを続けるのは難しい。けれども、それは続けていく中で、情熱を持つことも十分にありえるものだ

まとめよう。ビジネスにおいて情熱を持つだけでは十分ではない。その情熱に喜んで購入したいと思う市場が必要だ。また、情熱がない人も目の前のことに一生懸命取り組んでいれば、いずれ情熱を持つようになる。情熱があって、収益性もある仕事。そうしたキャリアは実に幸せなものだ。

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この記事の執筆者

アメリカでは伝説的な元トップ営業マンであり、対人関係・影響力の行使に関する第一人者。「21世紀のデール・カーネギー」の異名を持つ。

現在は経営コンサルタント・講演家としても人気を博し、元大統領や著名な政治家からも助言を求められる。2014年には米国経営協会(AMA)からビジネス界のリーダー上位30人の1人に選出されている。

主なクライアントはゼネラル・エレクトリック(GE)、リッツ・カールトン、レクサス、アフラック、MDRT、全米不動産協会等。フォーチュン500社に名を連ねる大企業からも絶大な支持を受ける。

著書はこれまで世界21カ国語に翻訳され、累計発行部数は100万部を超えている。累計20万部の『Endless Refferals』や世界的ベストセラーとなった『THE GO GIVER』などは全米の企業で多く研修マニュアルとして使われている。フロリダ在住。